梅雨の晴れ間(最近そればっか)の6/26、志賀高原の四十八池めぐりコース内にある大沼池を見に行ってきました。
何かの記事か登山blogかなんかで、蒼翠の湖水に赤い鳥居が立つフォトジェニックな風景を見て、一度自分の目で見たいと思ってたんだ。
また、池の水が酸性が高くて魚が住まないからか、とても綺麗なサファイヤブルーやエメラルドブルーに光の加減で見える様子なので、湖沼が綺麗に見えるのは青空の下と、晴れ間を狙って歩きに行ったのでした。
ここんとこ2:30起床とかやってたんで、今回は梅雨の晴れ間で晴れるのが9時から15時くらいだし、ゆっくりめに4:30起床で5:30出発(…いや、一般常識的には4:30は早起きですけどね、山の朝はだいたい3:00起床なもんで…)。
関越から上信越に入り、信州中野インターで降ります。上信越道は佐久まではよく来るけどその先の信州中野までは長く感じました。志賀高原、遠いとは思ってたけどやっぱり遠いw下道に降りて渋温泉や、猿の入浴で有名な地獄谷なんかを横目に見つつまっすぐ行けば志賀高原です。
今回は往路は黄色、復路は途中まで黄色を戻り、行きの分岐点で紫色の林道で帰りました。だいたい片道1時間30分。
なだらかな林道で行けるので、スニーカーであれば問題なく行けます。砂利道だからパンプスは傷だらけになるので止めたほうがベター。
途中東部湯の丸SAなんかで朝ソバ食べたり、朝飯後の用を足したりして40分ぐらい押して、9:20頃に大沼池入口の駐車場着。手前の建物はトイレ兼バス亭です。ウオッシュレットはないけど、綺麗な水洗トイレ。入口のドアはサルが入るからちゃんと閉めてと書いてあります。……猿、いるんか。
今回、登山口のそばに清水公園という湧水のポイントがあるので、家から水は持ってこないで、そこで行動用の飲料水を汲む予定。駐車場から徒歩5分かからないくらいです。
アスファルトを登山口のある林道前を過ぎて下ると、下に駐車場があり清水が湧いてます。
三ヶ所からざんざんと水量豊富に流れる清水。手を入れれば冷たくて痛くなるくらい。水はまろやかで甘く、のどごしですこしだけ硬さがあり、ほんとうに美味しい水です。
帰りに再び立ち寄り、プラティパスに汲んで帰ってご飯炊いたり、ウィスキー水割り作ってみたけど、どちらも水道で作るよりバツグンに美味しかったです。
地元の人が大きな給水ポリタンクで汲んだり、志賀高原のホテルの車が汲みに来たりしてます。我々も遠慮なく、この一番左にある立ったまま汲める位置で空のペットボトルとプラティパス1リットルを満たしました。
ペットボトルが水を入れると冷気で白く霜が付くような、そんな冷たい旨い水です。
湧水から100mほど来た道を戻ると、左手に指導標が見えるので、行きはこちらから、逆池経由の登山道で入山。
大沼池は平坦な林道でずっといけるけど、こちらの道は途中で林道に合流するまでは山道なんで、行きと帰りが違う方が面白いかなと。
入口は 新緑の中のなだらかな小道を歩いていきます。
すぐに橋があり、川を渡ります。川底にあるパイプ、なんだろう。ホテル街へ引く温泉かな?
あ、魚!橋の上から見てこのサイズならけっこうでかいヤツだな。橋を渡ると笹原があり、その先はすぐに登りになります。
気持ちいい新緑の中の登り道がしばらく続きます。
道に飛び出ていたカエデ系の若芽。若い緑が綺麗。
志賀高原は噴火の溶岩石で出来た山らしい。足元が八ヶ岳チックな岩ゴロゴロタイプの登山道です。
えんえん、こういう感じの上り道が30分くらい続きます。けして楽ではないけど、景色の移り変わりや新緑の綺麗さが飽きさせない。
ちょっと平坦で開けた場所に出た。またすこし歩くと登りになるけどね。
こういう風景が八ヶ岳チック。太古の噴火の噴石に、針葉樹がたくましく根を張り、コケが岩を覆い尽くす。
岩を抱き込んだ木々の根元には、溶岩の冷えて落ち込んだ風穴みたいな穴があちこちに。中にヒカリゴケが生えてる穴もあるらしいです。
天然の石垣みたいになった場所。開けていて日が差して明るい。この場所は大人二人が並んで歩ける、明るくていい道です。
森の中へ目をやれば、八ヶ岳と同じ、岩の上を苔が覆い、その隙間にシラビソやコメツガの針葉樹が生える植生。
芽吹きの季節、あちこちで見たシダのフラクタル構造が面白くて。ゼンマイみたいに巻いてたシダが伸びるひと時の、自然の幾何学。
巻いてた先がほどけて、まだ糸のような若葉を徐々に広げながら頭を少しづつあげるのか。
糸みたいな姿から、大きくなりながら 広がりつつある若葉、先がクルクルでおもしろ可愛いw
潅木に赤い実がなってる。なんの木かな。
こんなふうに、新緑を観察しつつ歩けば、登り道も楽しく歩けました。
30分くらいで林道への合流地点に到着。
ここからは林道を3キロ、自分の足ならだいたい1時間強くらい歩くぞ。
林道は手入れされていて、なだらかで歩きやすい。両脇にたくさんの高山植物や山菜が生えていて、それを観察しながら歩くのは飽きない。
お、空が開けてきた。しかし歩きやすいいい道だなーー、おしゃべりしながら歩くのにぴったり。
コメツガの新芽。米粒みたいなサイズの葉がつくからコメツガ。標高高い場所にしか生えない針葉樹です。
木苺の花が終わり、青い実がたくさん付いてる。夏に赤く熟すんだろうな。
植物を見ながら歩いていると、前方が開けて広場のようになっている場所に出た。やった、大沼池の沼尻だ。喜びに小走りになる自分を後ろから撮られていた。
とりあえず、池の端についたー!ここからレストハウスのある湖畔までまだ20分あるけど、沼尻にはベンチが置かれていて休憩できるようになっています。
うわ、ほんとうに青い!しかも浅い場所はエメラルドブルーで深い場所はサファイヤブルー混じりに見えて綺麗。
右側から湖水が河川に流れ出ています。そのあたりは浅いからエメラルドブルー。
奥はサファイヤ色。酸性が強い水と聞いているから、水を濁す魚系が居ないから透明度が高く、青を反射する珪素とかが多い水なんだろうけど、そういう理屈抜きで綺麗だわ。
湖畔の高台を歩く登山道へ入り、レストハウスを目指します。木々の間から見える湖水が神秘的なエメラルドブルーでつい見とれる。
登山道はこんな感じ。ちょうど生い茂っている笹を刈ったばかりのようで、見通しの良い平坦な土の道です。
途中橋のようになった場所は、池側の木が無く開けていて、湖水を見下ろすビューポイントです。
フゥゥウウ!きれーーーい♪南国の綺麗な海みたいな蒼さ。
レストハウスへ向かう湖畔の登山道の両脇は、山側に背の高さまである笹が茂ってます。これ、もしかしてアレか?熊が好きで人間と取り合うあの根曲がり竹か?と思って注意してたらやっぱりそうみたいで。
ずいぶん細めだけど、あちこちで根曲がり竹っぽいのが出ていました。登山道の笹を刈り払ってあったのも、これからのハイキングシーズンのためかと思っていたけど、もしかしたら熊よけかもしんない。
しかし、キレーだわ、この池。ついつい足が止まる。
指導票がないからわかりにくいけど、右下へ降りる細い岩の道が出てきたらそこを降りるとレストハウスです。レストハウスは平日なんでやってないけど、土日は食事がとれます。名物は根曲がり竹の味噌汁だそうで。飲みたかった。
レストハウス奥にある建物がトイレです。レストハウスが休みでもトイレは使えますんでご安心を。
レストハウス前は広場になっていて、あちこちにベンチがあるので休憩やランチにぴったりです。
浅い場所は下の土が透け茶色に見える。つまり水は透明なんだよね。奥に見える小高い山は裏志賀山。
とても静か。到着した時は平日のせいか、もうひと組若いカップルが後から来たくらいで、この日は4組みぐらいしか登山者に行き合わない、静かな湖畔です。
トイレに行って用を足したら、お昼を食べる前に、今日の目的である、ある場所へ向かいます。
丸い円の中に、レストハウス近辺の拡大図がありますが、拡大図の中、青で丸した場所が目的地。ここ、赤い鳥居が湖水に立っているのです。
レストハウス前の道を四十八池方面へ行くと、坂道すこし登って300Mくらいでこの指導標が右側にあるんで、そちらへ細い登山道を入ります。
湖面へ向けて降りていく感じで100Mほど歩きます。
この大沼池の主様は大蛇だそうで。昔、主の大蛇が若者に姿を変えた際にこの地方の殿様の娘の黒姫と知り合い恋に落ち、城主に結婚を申し出るが蛇に娘を上げられないと条件を出され、条件をどうにかこなすが裏切られ、恨みに大水を出して領民を苦しめたそうで。その様子を見た黒姫は自分のせいだと大沼に身を投げ、大蛇はそれを知って水を引いたとか。その大蛇を祀る小さな祠があります。
別の話では大蛇が黒龍になり姫をさらい、二人は仲良く添い遂げたというのもあるし、
出来れば二人が仲良く過ごせたほうの話を信じたいなー。
木の根がでこぼこと張った細い登山道を、つまづきに気を付けながら降りて行くと、結界のしめ縄の先に赤いものが。手前にある小さな祠に頭を下げ、結界に入る前に一礼して、写真を撮らせてもらいに湖畔へ降ります。
うおおお!綺麗だ……。蒼い水に朱色の鳥居。
水際まで、木で土止めした階段があるので、下まで降りて階段の木の部分に腰掛けて撮影。水はすごく澄んでいて、水底の小石まで見えるくらい。顔を上げれば赤い鳥居に切り取られた蒼い湖水の色と新緑。その上に夏の白い雲と青空。これは綺麗だわ、フォトジェニックだわ。
右手にさっき居たレストハウスと湖畔が見える。
鳥居の右側、奥の方の対岸に小さく建造物、社が見える。ここは湖水を渡って参拝に行く神社なんだな。年一回の祭りには、大蛇の形の獅子舞みたいなヤツを小舟に乗せて湖水を練り歩く様子を何かの写真で見た。
立ち上がり、斜め上から見下ろす別角度。やはり鳥居の中に湖水の水平線が見える構図がきれいだな。
このあと、先ほどのレストハウス前に戻り、ホタテ缶詰とほうれん草のレモンクリームパスタを作り、魚肉ソーセージ、冷凍してきた蒟蒻畑のデザートの昼ご飯を食べて、13:00頃に湖畔を後にしました。
行きに通ったビューポイントより、名残惜しく大沼池を見返します。午後になり、陽が差し込む角度が変わると微妙に色が変わって見える。日差しは暑いけど湖面から涼しい風が吹いてきて気持いいし、湖水は綺麗で見飽きないな。
帰り道の林道より右手を山々を見る。若葉萌える季節って表現がぴったり。
林道脇に目を引くピンクの花の咲く潅木。タニウツギ。
これから満開になるのかな。まだつぼみが多いけど綺麗な花。
このあと14:15分には林道入口まで歩き、今日のハイキング無事に終了。帰りは行きより速い1時間15分で踏破。
このあと、もう1ヶ所、立ち寄りたい場所があるんだ。車に乗って、群馬県側、横手山の麓にある横手ドライブインまで移動。そこからスカイレーターという、山の斜面にあるエスカレーターとリフトを乗り継ぎ、横手山山頂を目指します。
スカイレーター。200Mあります。山の斜面にこんなモン作る根性がすごい。元々このあたりはスキーで有名だからそれ用なんだろうけど。
その次はリフトに乗り継ぎ、2300Mの山頂を目指します。
着いた!15:00ギリギリ滑り込みセーフ。オーダーストップ15:00までだから焦ったわ。
ギリギリで焦ってたからお店の写真撮り忘れたけど、この山頂リフト駅の2階にはクランペットカフェがあるのです。
クランペットは英国の軽食で、マフィンみたいな形をしてます。外側カリカリ、中身モチモチの生地に、甘いものやサンドイッチの具材なんか乗せて楽しむ軽食です。
私はクリームチーズとハチミツのクランペットとホットコーヒー、主人は卵とハムとトマトのクランペットとアイスコーヒーを注文。展望テラスで出来上がりを待ちます。
予報通り、15:00過ぎたら雲が出てきた。晴れてたら北アルプスの白馬方面が見えるそうで残念。目の前のとんがった山は笠ヶ岳。
コーヒーを飲みながら展望を楽しんでんいると、キターーーー♪クリームチーズとハチミツのクランペット。食べやすいように半分に切ってあります。
うん、うまそう。疲れてるから甘いものが欲しいんだよね。ナイフとフォークで切って食べます。
たーーっぷりのクリームチーズにハチミツがうまし。カリカリの外側は固くて、すこしナイフで切りにくいけど。カリカリでモチモチで、クリームチーズの塩味とコク、ハチミツの濃厚な甘さがすごい合う。
お店の方が、お腹すいてる?一個間違え多く作ってしまったからよかったら食べてと、卵とハムとクリームチーズのクランペットをサービスしてくれました。ラッキー!
あらかじめ電話してこれから行くと告げてたから良かったけど、閉店ギリな時間にこんなにサービスしていただいてありがとうございます。
クリームチーズ&ハチミツと比べると、卵やハム乗せは食事の要素が強くなるけど、これも美味しかった。コーヒーもアイスコーヒーも、丁寧に淹れているし、また機会があれば是非寄りたい山岳カフェです。こういうのを目的に来るのもいいかもしんない。
このあと、草津方面へ降りて(火山警戒レベル2なので、オープンカー、自転車、バイクは通行不可。車は駐停車禁止、駆け抜けるだけなら通行可)八ッ場ダムの側の川原湯温泉の天狗の湯で汗を流し、20:30に自宅につきました。
しかし、大沼池は綺麗だった。歩いて良かった。写真だと彩度落ちてしまうけど、実際に目でみるともっとエメラルドブルー混じりのサファイヤブルーで綺麗です。
赤い鳥居もすごく素敵でした。神秘的な蒼い湖に、朱色の鳥居が湖水から生えてる姿はとても映えて美しかった。
今日は午後15時には曇るとの予報なので軽く大沼池だけ見ようと往復しましたが、今度時間がある時に四十八池の方も歩いてみたいです。
他にも大小様々の湖沼と、それをつなぐ登山道や木道てんこもりの志賀高原、今度は長池や三角池、田ノ原湿原方面も歩いてみたいし、緑の硫黄泉の熊の湯も再訪してみたい。
こうやって歩きたい場所がどんどん増えていくのも登山の楽しみのひとつ。四十八池はまた行きたいとは思ってますが、無理に今年に再訪して歩かなくても、来年再来年に再訪してもいいんです。山頂を踏むだけでなく、こういう風に湖沼を見に、なだらかな道を自分のペースでゆったり歩くのも山歩きのひとつ。
これから山岳グリーンシーズンの始まりですが、自分のペースで楽しくあちこち歩いていこうと思います。