どんな人生にも雨の日はある。

登山初心者の山歩きの記録と日常。行ける山から少しずつ。

日光・千手ヶ浜のクリンソウ群生

6/23木曜日、日光の中禅寺湖にある千手ヶ浜に、クリンソウを見に行ってきました。6/22、23と水木連休でしたが、水曜は用事ありで木曜しか山歩きに当てられる時間はなく。6月上旬からここしばらくは曇や小雨続きの天気で、気温も湿度も高いので近隣低山の山歩きにはイマイチ。この時期湿度から逃れるなら1500m以上に行かないと涼しくないけど、そういう山は遠いから行くなら計画立てて行きたいしー。

そんな中、山SNS(YAMAP)のフォロワーさん達から、中禅寺湖畔の千手ヶ浜のクリンソウ群生が見頃だとのレポが6月上旬あたりからちらほらと上がり始めました。千手ヶ浜のクリンソウが見事だというのは聞いていたし、クリンソウ自体は入笠山などで見ていたけど、それほどまでの群生は見たことがないなと興味を引かれました。もともと中禅寺湖の千手ヶ浜は雰囲気も大好きな場所だし、天気が良くないときは花や植物を愛でるハイクが良いしと、久々に前泊車中泊でなく朝早くから出かけていきました。

 

実は、6月頭に高級コンデジを購入しました。4月にコロナの医療保険が下りてちょっとサイフに余裕があったので、このまま生活費でちまちま消えていくより、前から欲しいと思っていたデジカメ買おうと。

cannonの高級コンパクトデジカメ、パワーショットG9XMarkⅡ。数年前から狙ってはいたけど、山SNSにレポを上げるのはスマホのほうがやりやすいしー、今のスマホはそれなりの画像だしーと悩んで購入を保留にしていました。ところがこの機種が販売終わりそうなムード。もしかしたらMarkⅢにバージョンアップするかもだけど、きっとお値段上がるし、この軽さコンパクトさを維持するかわからない

欲しいと思ったのはその軽さ。バッテリー込で206gです。缶コーヒー(215g)より軽いんです。サイズもコンパクト。ワイシャツの胸ポケットに入るくらいで薄さ31ミリ。それでいてなかなかの高画質が撮れる。綺麗な景色を撮るなら一眼だけど、一眼やミラーレス、それに付帯するレンズなど重い機材を長距離持ち歩けるだけの脚力は無いし。望遠はちょい弱めだけど、バズーカ必要な野鳥撮影するわけでないし。山の景色をスマホより綺麗に取りたいだけなのでちょうどいいかなと。

裏側はタッチパネル式。普段スマホ使い慣れていればほぼ本能で使えます。

スマホBluetoothで繋げて、スマホからカメラ操作もできます。カメラで撮った画像をスマホで見れて、山SNSへアップできるのは便利。

クリンソウは色も鮮やかな花なので、ちょうど良いnewデジカメの試撮になるなと。G9X、5万もしたので落としたりしないように、長さの調整出来るストラップを装着しました。これでザック背負ったうえでカメラを首からかけたり、斜めがけしたりして山歩きできるぞ。明日の準備は整った。

 

 

6/23は朝3:00起きで4:00自宅出発。赤沼駐車場に7:30到着予定で行動しました。

今日は赤沼から千手ヶ浜まで運行してる低公害バスに乗り、西ノ湖入口で下車、西ノ湖を見てから千手ヶ浜まで歩いて、クリンソウを見ようというプランです。低公害バスの平日始発が8:10なので、それに乗るための時間繰り。

東北道の羽生インターから乗り、宇都宮で日光道に入ります。日光市内は小雨でしたがいろは坂あがって赤沼についたら路面は濡れてなくてラッキー。しかし順調すぎて6:20に着いてしまったので7:30まで車内で仮眠しました。ぐっすり眠れて夢まで見て、起きた瞬間自分がどこに居るかわからんかった(笑)低公害バスは3台あり、今日の始発は『のあざみ』号。片道500円です。赤沼→小田代原→西ノ湖入口→千手ヶ浜まで30分くらいで結んでいます。バス停以外の場所でも、ここで降りたいと思えば降ろしてくれますし、乗りたいと意思表示すれば乗せてくれます。一般者進入禁止のエリア内は乗車下車フリーです。

クリンソウの時期はバスは朝から満員、赤沼駐車場も満車だよと聞いていたのですが、平日のせいか駐車場もわりとがらがら。始発バスも乗車三組くらいで余裕でした。

西ノ湖入口に8:30頃着。赤沼から20分です。バス停には新しめの東屋があり、これなら急な雨も防げますな。写真撮るからどいてと言ってもどかない、準備運動に余念がないオット。どかないならそのままブログに乗せるまで。

東屋の右側はゲートがあってすぐに橋があります。西ノ湖へはこの橋を渡って奥に行きます。

おー、浅瀬がいい感じ。こういう瀬は釣り用語でチャラ瀬といいます。川がチャラチャラ音をたてて流れているからで、けして見かけがチャラいからでは無い(笑)こういう瀬は意外にヤマメとか流心にいたりする。……ここは禁漁区だけどね。

橋を渡ると、二人並んで歩ける平坦な砂利道。草の生えてない轍があるオフロード道です。轍に草が生えてないってことは、わりと頻繁に監視員とか保護員が作業で入る道だろうな。

白樺の林がきもちいい~。杉などと違って下まで日差しの入る広葉樹林は、下草も生き生きしてて綺麗。林の中を奥まで見通せるのも気持ちいい。

白樺林を過ぎるとカラマツ林。まっすぐ奥まで伸びる道が気持ちいい!木々が密集してないので風も通って涼しく、今回歩いたなかで私はこの道が一番好きでした。

しばらく行くと吊り橋が。西ノ湖方面と千手ヶ浜への分岐です。まずは西ノ湖へ行くので吊り橋を渡ります。

二人並ぶにはちょいきついけど、一人で歩くには十分な幅の吊り橋です。

吊り橋渡ると、すぐに巨木の多い原生林。ブナかな?ミズナラかな?枝も太い見事な巨木でした。

オットで対比。張り出した太い枝、これだけ立派ならブランコつけれそう。このあたり、巨木や大木がすごくたくさんで見ごたえあります。

この道も素敵でした。この先で左カーブしてすぐ西ノ湖です。

青モミジがとても綺麗。夏だなあ。モミジの先は……

西ノ湖です。向かって右手側にはちょっぴり晴れ間が出てきました。

向かって左側。とても静かです。周囲1.5キロほどの小さな湖です。

西ノ湖真正面。西ノ湖は大昔は中禅寺湖と繋がっていたけど、河川の土砂流入で分かれてしまった遺留湖だそうです。雨が多いときはこれくらいで、秋冬は水が少ないみたい。

ここで後からきたトレランの男性二人組と会いました。これからどちら方面へ?と聞かれたので千手ヶ浜へ行くと答えると、男性達はホッとした顔で『小田代原から西ノ湖へ向けて走ってきたが、途中で目の前に熊が出たので引き返して車道を来て西ノ湖へ来た』との事。弓張峠から西ノ湖へ、バス道と並行するように道があるので、そこを走ってきた様子。『歩きなら熊鈴鳴らせるけど、走ってると熊鈴鳴らすのは難しい。気がついたら目の前に小熊がいた』という状況だったらしい。小熊が居るなら母グマも近くに居るので、出会わなくて良かったですねと談笑し、彼らとは別れましたが、我々が熊に出会わないよう、そちら方面へ行かないよう、クマ情報を共有してくれ事に感謝です、ありがとうございました。

山やってる人って、こういう風に危険箇所や情報を見ず知らずでも共有します。我々も危険箇所や情報があれば後から来た人に伝えてますよ。午後に小田代ヶ原から戦場ヶ原へ向かう林の道へ入るときも、鹿避けドアですれ違ったちょっと強面のツーブロックのおにーさんが、『熊糞あるから注意と俺も聞いたし糞みたから注意してください』と伝えてくれました。もちろん、オットと二人熊鈴ダブルで鳴らして、笛をピーピー吹きながら歩いて事なきを得てます。山歩きは我々人間が動物の居住エリアに入っていってるんだもん、こちらから『人いるよー、避けてー』って音で伝えてあげれば大体の野生動物は避けてくれるもんです。

西ノ湖はこじんまりした秘密の湖みたいで、とても良い雰囲気でした。人もそう多くなくて、プライベート感がとてもいいです。晩秋にまたカラマツが黄金に染まる頃、青空と紅葉を見に来たいな。

日が差し込んできて、頭上のモミジが透けてるのが綺麗だったので、デジカメのズームで撮影。スマホだとズームしたら荒れて見れたもんじゃないけど、さずがにコンデジは綺麗。

西ノ湖畔から来た道を先ほどの千手ヶ浜分岐まで戻ります。逆から見るとまた新鮮な巨木の森。鹿の食害を防ぐために周囲の木には黒いカバーがかけられ、森の奥には鹿避け柵やネットがありました。真ん中奥に見える巨木は、ミズナラかブナだけど針葉樹の若木を抱き込んでいたよ。

吊り橋から。こちらの川もなかなか良い感じです。……禁漁区だけど。

吊り橋のたもとから、千手ヶ浜を目指します。

西ノ湖から千手ヶ浜はほぼ高低差のない平坦な道。草花を愛でながらそぞろ歩くのにちょうどよい、気持ちのよい森の小路です。

日が差してくると、頭上に木々のない場所の下草が輝く。

まるで、ここが森の主の座といわんばかりの倒木と潅木の雰囲気に、デジカメズームでパシャリ。

その後、ちょうど千手ヶバス停側まで歩いてきてたので、先にバス停にあるトイレに立ち寄り。元の道に戻るときに、バス停そばの川辺で見つけたクリンソウ群生。

色々なピンク色があって、カラフルで楽しい。クリンソウサクラソウ科です。

紫味の強い、マゼンタ系ピンク。林家ペーパーの色ね(笑)

少しオレンジかかったコーラルピンク。これも綺麗。いつまでも眺めてたいけど、まだこれからメインが待っているので、森の小路にもどり、千手ヶ浜を目指します。

中禅寺湖が近くなってくると、森の小路の下生えが蕗になりました。土壌の水分が増えたからかな、蕗の小道もなかなかオツです。

前方が明るくなり、中禅寺湖畔に出ました。今日は曇天予報だから男体山は生憎の厚い雲の中だけど、湖面を雲が渡る、珍しい光景を見れました。

湖畔を奥に進み、この吊り橋を越えると……

出た!大群生!吊り橋の上からも見えるピンクの集団に近づいて行きます。おお!これ全部花か!

すごい!これは圧巻。右も左もクリンソウだ!

側まで近づいて、しゃがんで花の目線で。白、濃いピンク、サーモンピンク、ベビーピンク。色とりどりのピンク色の夢の共演です。

上から。茎の周りを取り巻くように花が咲いてます。多いと数段になって。

デジカメで。下のほうがすでに種になってる株もあればまだ蕾がたっぷりの株もあり。月末まで、まだしばらく楽しめそうです。

奥の方から湖畔方面を見ると、クリンソウ群生があちらこちらに。ピンクの小川みたいになってる。

下の方から咲いて、日が経つにつれて背を伸ばして更に何段も咲くのかな。

五重塔などのてっぺんにある輪っかのいくつも付いた金属の避雷針みたなの、あれを九輪といいます。クリンソウはその九輪に姿が似てるからこの名前だそうで。

ここ千手ケ浜クリンソウ群生地は、仙人庵という個人の方の敷地内です。個人の方がお手入れされていて、この時期だけ無料で開放してくれてます。個人の敷地内なので張られた黄色ロープに沿って歩いて、ロープ内などには立ち入らないように注意します。

敷地内は養魚場があるようで、小川が流れています。小川の奥にもものすごいクリンソウの群生。

すげー綺麗。白とピンクの混生がまた美しい。こんなカラフルな花畑、海外でもないとなかなか無いわ。

川辺のクリンソウの水面リフレクション撮影。ちゃんと撮れたかな。

あまりに綺麗すぎて、この川が三途の川ではないかと思えてきた(笑)対岸がすごく綺麗でも渡っちゃいけないやつ(笑)

歯車的な何かとクリンソウ。これはジブリムード。ラピュタの廃都のみたいだ。機械兵が花供えにくるやつ。

途中ででかいニジマスがいる生簀があったり、川の中に大きなニジマスがいて縄張りにはいってきた小物を追い払うファイトが見れたりしながら、仙人庵周辺を楽しく一周しました。水辺とクリンソウの景色はどこも綺麗で映えます。緑も美しく、中禅寺湖からの風も気持ちよく、とてもいい気分で散策できる場所です。

仙人庵を離れてさらに奥に進むと、千手堂があります。千手堂に渡る橋のたもとあたりに、クリンソウ越しに中禅寺湖が見れるポイントがあるというので見てきました。

先ほどの仙人庵ほどの群生はないですが、確かにしゃがんで目線を低くすると、橋の下から中禅寺湖見えますが。

まるで水辺の柵みたいに並んで咲くクリンソウ達。クリンソウは水辺に咲くけど、水芭蕉みたいに水の中には咲かないんだな。逆にいえばクリンソウが咲いてる場所は水場が近くにある場所ってことか。この時期なら遠くからでもクリンソウのピンクが見えたらそこは水場があるってわかる目印になりそう。

クリンソウを堪能したあと、千手ケ浜バス停にちょうど来た12:00発のバスに乗り、小田代ヶ原で下車します。せっかくだから、小田代ヶ原から戦場ヶ原に抜けて、赤沼へ歩いて帰ろうかと。

ちょうどアヤメの咲く時期で、あちこちに紫の花が。湿原の奥には一面紫のアヤメ群生地も見えた。

6月後半の小田代ヶ原は、紫のアヤメと黄色のつやつやしたウマノアシガタが映えて綺麗でした。ウマノアシガタ、なかなか風でピント合わなくてボケちゃった。

木道脇に、小指の爪先ほどの小さな小さな白い花。夏によくあちこちの山で見るけど、小さすぎてスマホで撮るには難しくて。端正な5枚花びらでわりと好きな花です。

デジカメのズームで。ここまで寄れて撮影できて嬉しい。小さな小さな花で、地味だけど、群生してると草地の中の地上の星みたいで可愛いんです。名前もよく知らない花だけど(たぶんノミノツヅリの一種)。

小田代ケ原から戦場ヶ原に抜けて、赤沼へ向かうかってトコで通行止め看板。えーー、赤沼へ抜けれないじゃん。こっちに来ないで小田代ヶ原からしゃくなげ橋方面へ向かえば良かったかー。しょうがないので泉門池から光徳へ出て、ちょうど来たバスで赤沼車庫へ戻りました。

湯滝から泉門池へ向かう川沿いの道も、ここ数年工事中だし、これからの夏の観光シーズン、赤沼から泉門池へ抜けれないのは一般観光客には大変かも。我々ハイカーなら赤沼→しゃくなげ橋→小田代ヶ原→泉門池→湯滝迂回路→湯滝まで行くことは可能だけど、森の中の道だから、戦場ヶ原みたいな湯川沿いの気持ち良い道ではないよなあ。

9/30には開通するようだから、戦場ヶ原は歩くなら秋以降に歩くのがいいみたいです。たしか中禅寺湖一周も阿世潟峠から千手ヶ浜に抜ける箇所が通行止めで、秋に開通だったし、こんど来るなら秋の奥日光かな。

 

 

さて、今回はスマホ撮影とデジカメ撮影入り混じった日記です。どれがどちらか、わかるかな?ズームしてる植物写真や、綺麗に後ろボケしてるのはデジカメですが、ほぼ同じ場所を普通に撮影した場合のスマホとデジカメの差はこんな感じです。

↑これはスマホ

↑デジカメ。オートモード。

cannon独特の色味なのかもだけど、デジカメは青みが強く出ます。あと、やはり鮮やかでくっきりする感じ。目で見た景色に近いのはデジカメかな。実際はデジカメくらい晴れ間の青空が見えてたから。

 

↑デジカメ

スマホ。デジカメ撮影場所より数mほど場所が奥だけど。スマホのほうが植物の緑は黄色強めかな。でも明るめに写る気がします。やっぱり、細部まで細かくくっきりして綺麗なのはデジカメかな。

これはスマホ撮影。なんだかんだ言っても私のスマホ、トルクもなかなか綺麗に撮れていると思う。iPhoneだともっと綺麗でないかな。

これからもスマホとデジカメの二刀流で山歩き写真を撮ろうと思います。自然の美しい1シーンをうまく切り取れたらいいな、それを少しでも伝えられたらいいな。