どんな人生にも雨の日はある。

登山初心者の山歩きの記録と日常。行ける山から少しずつ。

切込湖・刈込湖・涸沼

10/27木曜日。奥日光の切込湖・刈込湖を見に、湯元光徳線歩道を歩いてきました。

紅葉は山麓へと下がり、この日は中禅寺湖辺りが盛りの様子。湯元周辺は終わりかけてましたが、そのおかげで静かな、人の居ない奥日光を堪能しました。トレイルも2人すれ違っただけで、終始、鹿の鳴き声を聴きながらの静かな歩きとなりました。

鹿、キュイーンという甲高い声と、フォーンという野太い声両方聞こえて、後で調べたら野太い声が雄の秋の求愛シーズンの鳴き声だと。 鹿達の声と、枯れ葉の落ちる幽かな音、霜柱を踏む我々の足元からのザクザク音しかしない山は、晩秋から初冬へ移り変わる最中でした。

『奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき』

 

おはよーございます。今朝は4:30に自宅を出、関越道沼田IC経由で金精峠を越えて奥日光へ。途中、この時期はまだ朝日の当たらない丸沼あたりで車の外気温-6℃表示に。寒い~。

7:30には湯元の駐車場に到着、トイレや仕度を済ませ、再び車に乗って5分移動し、120号沿いの切込湖登山口に車を止めました。ここは4~5台くらいなら車止めれるかな。湯元に車止めると、登山口へ行くために最初に湯元源泉から120号まで崖の急登になるので、貧脚の私の脚力温存の為です。

登山口手前、霜降りてる~。今年初めて見た霜でした。

気温はここでだいたい-2℃くらい。

今日はこの湯元光徳線を歩いて、切込湖・刈込湖を見に行きます。歩いてみて、キツいなら湖で折り返し、行けるなら光徳へ抜けようかと。

では、いざ山の中にいかん♫

登山口はこんな感じ。

入ってすぐに二又の大木。皆さんのレポで良くみるやつ~。

昔の名残か石畳の階段などあったり。全体的によく整備されたトレイルです。

前半、小峠へのちょっとの登りと、湖に下る階段までは、わりと平坦で歩きやすいコースです。

小峠への登りキタ!ちょっとだけです。

小峠。ベンチがあるから座ったら霜降りててお尻冷たかったよ。私のお尻型に霜が溶けてた。

巨石。このトレイル、わりとあちこちででかい岩見ました。

小峠から先は霜で凍りついた熊笹の道。秋冬は、山はなかなか朝日も差し込まないからガチガチに凍りついてる。

切込湖まであと1キロ、されど山の1キロは平地の三倍換算がベター。

ちょっと登って、平坦な林道?に出ます。二人並んで歩ける幅の作業道路みたいな感じ。しばらくこの平坦な道を行くと、左手に切込湖へ降りる階段が出てきます。

最初の階段。このあと5~6回くらいこんな階段と、木の根と岩ゴロの降りの繰り返し。

ちょっと樹林帯と岩ゴロ歩くとまた階段。

でっかい岩。大昔の噴火で飛ばされた岩だろうか。

わりと急な樹林帯の下り。シラビソやコメツガ林でいい香りがするのがさいわい。ただし針葉樹だからか、朝でまだ日が差さないからか、森がちょっと暗い。

最後の下り階段の降り口に立つと、切込湖が見えます。

切込湖に到着、湖畔に降ります。 人の誰もいない、静けさ。そして風が無いから湖面が鏡のようだ。

紅葉は終わって、木々は葉を落とし冬支度を始めた山肌。

静かだ。時々、鹿のキュイーンという鳴き声がするだけ。

真っ青な空のもと、奥には山王帽子山が見える。右手の白いとこは日があたらないから霜が降りて凍ってる。ここは、自然の音しかしない静けさに包まれた湖でした。

ちなみに手元の温度計0℃。でも歩いてきたからか、風が無いせいか、さほど寒さは感じませんでした。

薄氷。今年初の氷を見れました。小川が湖に流れこむ、浅いとこが氷張ってました。

こうやって、浅いとから少しずつ凍って、全面凍結するんだろうな。冬は確かスノーシューコースになってるから、湖面凍結して歩けるはず。

日当たり悪い岸辺はこのとーり、霜が降りてガチガチに地面凍ってます。日が当たって溶けたらぬかるみそう。

右手の岸辺の木々の中にはトレイルが刈込湖へと続いてます。こちら側の岸辺、ちょっと八ヶ岳の双子池に似てる。

切込湖と刈込湖は、水位が高いとこの奥の細いところでつながるそうで。いびつなヒョウタンみたいな形です、切込湖&刈込湖。

風が無い日く水が鏡のようでした。晩秋の山々の切込湖リフレクション。左手は名も無きピーク、右手は於呂倶羅山。

切込湖と刈込湖の接点。ちょっとだけ繋がってました。

刈込湖。手前の樹がじゃまで紅葉が見えないから水鏡に映る姿を撮る。

ちょっと場所を変えて、辛うじて紅葉見えた。刈込湖は切込湖に比べると小さな、池くらいなサイズ。

刈込湖を離れて涸沼に向かいます。足元に霜柱がたくさん。

そういや、最近は霜柱なんか身の回りで見ないよね。土の地面があまり無いから。

涸沼に降りていく前は、なだらかな歩きやすい道です。

ちょっと開けた場所。最初、ここが涸沼かと間違えた。

木にでっかいキノコ発見。サルノコシカケの一種かな、ふかふかしてそうに見えて固い、裏切られる触感。

お!涸沼が見えてきた~♫

道は涸沼の縁、笹原の中を下へ降っていきます。

おー、いい景色だ~♪山王帽子山がどーん。

これは歩いてくる価値ある景色だわ。

いい感じ~、カラマツの黄色と笹原の緑、青空に映える。

この先にベンチがあるので休憩します。

ベンチに座ると正面この景色。ベンチからパノラマで、右手が山王帽子山、左手は於呂倶羅山。

ベンチで山専ボトルに入れてきた暖かいコーヒーをすすり、シナモンロールをかじります。風もほとんどなく、日差しがあったかくていい気持ち~。

さて、休憩したらこのコース一番の急登、山王峠へ向かいます。見えてる山は山王帽子山。中腹にある山王林道まで登るのだ。

しかし不思議な景色だ。2000mの山に囲まれたプライベートビーチならぬプライベート広場みたいです。ここは冷気が地面に溜まる場所らしく、紅葉が普通と逆に地面側から始まるそうで。確かに涸沼中にあるカラマツは紅葉終わりで散りかけてた。

山王峠へ向かいながら振り返ってみる。

山王峠入口、霜柱がスゴい!

細い、氷の髪の毛みたいな長い霜柱がびっしり。もちろんザクっと踏みますとも。

子どもの頃、冬は妹と競いあって霜柱踏んだなあ。普通の霜柱より、こういう細い透明な霜柱のほうが霜柱ヒエラルキー上位だから、互いに探しては長さを自慢しあったなあ。で、霜柱踏むと靴泥だらけになるんだよね。

さよなら、涸沼。 遥かな昔、きっとここも切込湖みたいな湖だったんだろうな。なんらかの原因で流込む水や地下水が減り途絶え、湖はゆっくり湿原になり、湿原から草原になり、森に還ってゆく。その過程の、草原から森になってゆくところなんだろうな。真ん中にカラマツの小さな樹があるし、あと30年もしたらここにカラマツ林が見れるんだろうか。

山王峠、少しずつ高度を上げ、急登に息を整えるたびに涸沼を撮ってます(笑)

あの、真ん中の砂地?みたいな灰色の場所、湿っているのか、乾いているのか考える……(ゼイハアしながら)

だいぶ登ってもうすぐ山王林道。木々で涸沼が見えなくなってきた。

着いたー、山王峠クリア、山王林道に到着です。

王林道。けっこう交通量ありました。皆さん紅葉ドライブかな。 林道のアスファルトには出ないで、右手の登山道を行きます。

数段階段を上がると、開けた山王見晴し。木道の気持ち良い道です。

おお、日光の盟主男体山

男体山の山頂はちょっと雪がついてました。

光徳を目指します。左へ行けば道路渡って山王帽子山登れます。

気持ちいい道~。 ベンチもあるのでちょっと休みました。

しばらくすると、階段が出て来ます。さあ、光徳までの下り道の始まりだ。

階段→ゆるい下り道→階段を繰り返して光徳へ降りて行きます。

高度が下がると紅葉が綺麗~♪

木立越しに見える赤や黄色もなかなか綺麗~。

この高度は今が盛りか~。

ちょっと曇ってきたけど、奥日光の紅葉も楽しめました。

あとちょっと、この下り階段クリアすれば…

ほら、あと500mで光徳牧場。

最後は明るい落葉樹の森の、なだらかな道です。

着いた‼️お疲れ様でしたー!

いいコースでした、とても楽しめました。光徳牧場の裏手に出るので、牧場で濃厚なバニラアイス購入。アイス舐めながらバス停のある日光アストリアホテル前へ移動。湯元までバスで帰ります。

ホテル玄関脇にあるバス停でバスを待ちます。カラマツの紅葉を眺めていると、ちょうど13:25のバスがタイミング良く来てくれてラッキーでした。

終点の湯元温泉で下車、朝は脚力温存でパスした、湯元源泉の裏から崖を登って(疲れた足にはラスボス)登山口に置いた車に戻ります。車で再び湯元へ戻り、湯元の無料の足湯"あんよの湯"で足を温めて帰りました。足湯、ふくらはぎから下が軽くなって良かった~。足湯がある場所は今後どんどん活用していこう。

今日、すれ違ったハイカーは二人。平日だからもあるけど、奥日光は紅葉が終わりかけてたからかな。きっと、今が盛りの中禅寺湖は人が多かったのではなかろうか。

晩秋から初冬に移り変わりゆく奥日光、その静かな美しさを、じっくり堪能できた1日でした。