どんな人生にも雨の日はある。

登山初心者の山歩きの記録と日常。行ける山から少しずつ。

冬の美ヶ原・スノーハイク

2021年12月の冬のボーナスでスノーシューを購入し、2022年1月からスノーシューハイクを始めました。

あちこちスノーシューで歩いてきて、まだ行ってない一級ポイントが冬の美ヶ原。2000m越えの平らな高原の牧場地は、冬季は広大な雪原と化し、まるで北海道のように地平線まで白く染まります。

地平線で青空と雪原がほぼ直線に交わるその景色を見たくて、美ヶ原に行ってきました。

冬季の美ヶ原は、主要アクセス道路のビーナスラインが通行止になるため、和田宿からの和田峠で上がる事になります。が、冬季の積雪ある和田峠は急勾配のため、なるべくなら四駆推奨というハードルにより今まで躊躇ってました。そのために今年チェーンを購入し、やっと挑んだわけですが……。

今年は雪少なめの為、和田峠ほぼ雪無し。スタッドレスで楽勝で上がりました。チェーン買った意味が……。

で、和田峠に雪がない=美ヶ原も雪少なめで、すでに地肌が見えてるところ多数。雪も腐り気味で、スノーシューでも踏み抜きます。いい雪質は王ヶ鼻あたりのみかなー。

 

地平線までの雪原と、青空はたっぷり堪能出来て大満足ですが、今年はもっと早く来たほうが良かったねと、腐れ雪を片足踏み抜き、自力で出れなくなりながら笑いました。

 

朝6時過ぎに家を出て、上信越道下仁田で降り、下道で9:45頃に山本小屋ふるさと館前駐車場着。

和田峠は雪ほぼ無し。一ヶ所、日陰に雪の部分があるだけで、路面は乾いているしスタッドレスで楽勝です。

ふるさと館で有料トイレ借りて、雪仕度して歩き出すも、すでに地面見えてるー。今年は雪少ないって本当なんだな。

道の両脇に重ねられた除雪された雪が溶けてつららが。

もう、今年は雪が溶ける時期?去年3月は、どこの山もまだまだ冬だった記憶が。気温も高く、この日はプラス8℃くらいまで上がりました。ここ2000mなのに!

山本小屋ふるさと館から山本小屋へ向かう道は、完全に除雪されて泥道でぐちゃぐちゃのため、右側の雪を歩こうとしましたが、チェーンスパイクでは踏み抜くような雪質、あきらめて下に下りて、泥道を歩きます。

泥道は山本小屋入口までで、先は雪になりますのでご安心を。 

山本小屋の庭先、使ってない雪上車が埋もれてる。軽く1.5mは積もっているか。

ああ、これ!これよこれ!見たかった景色~!!

地平線まで雪、この景色が見たかった~。

美ヶ原はこのような地形の為、通年、風はまあまあ強く吹きます。今日は5~8mくらいかな。風が吹くと体感的には0℃くらい。この日は太陽が出てれば寒いって事はありませんでした。私、手袋しないで1日過ごしてたし。

地平線までの雪原の向こうに王ヶ頭ホテルと電波塔。 そう、この景色が見たかった。

まずは右に見える盛り上がり、山頂にあたる王ヶ頭に向かいます。

今日は初手チェーンスパイク。王ヶ鼻までこれで行って、帰り道は次手スノーシュー予定。 次手はザックにくくりつけて行きます。

夏は寄りかかった柵が、冬は足元に埋まってる。雪の深さがわかる。

気持ちいいわ~。柵内の道の上の雪は踏みかためられてるので、チェーンスパイクで問題なし。

美しの塔が見えてきた。ん?なんか人がたくさんいる。雪上車もあるし。

王ヶ頭ホテルの宿泊者の様子。スノーシューツアーで、ホテルから美しの塔までスノーシューして、ここからは雪上車でホテルへ戻ってました。ホテルからの帰宅は、電波塔の裏側の道から下界へ送られる様子でした(王ヶ鼻からの戻り道でバスを見た)

王ヶ頭ホテルが近づいてきた。建物は王ヶ頭ホテル。周囲にたくさん立ってる塔はテレビの電波塔です。

景色サイコー過ぎて、同じような写真を量産してしまう。晴れて青空でしたが、春霞なのか花粉なのか、見晴らしは効かない天気で、楽しみにしてた山々の展望は皆無でした。

石造りの放牧の物置小屋、ここだけ、周囲の雪が溶けてる。

石に日があたり、温められて周囲の雪が溶ける理屈だな。

もう少しで王ヶ頭ホテル。しかし、ここでお腹空いてきた~。雪に埋もれてちょうどベンチの高さになった柵に座って、ホテル眺めながら行動食を摂ります。スノーハイクは、普通の歩きよりお腹空く気がします。器具を足に着けてる負荷と、寒さがカロリー消費するのか?

セブンイレブンの小さいチュロス4個入りのチュロッキー、固いから形崩れないし、カロリーあるし、旨いし、最近の山のお供のお気に入り行動食です。

王ヶ頭にちょっと登って、いま来た道を振り返る。いい景色~。

パノラマで来た方向を。

アルプスコース側は雪解けしてる。

南向き斜面は雪ほぼ無いです。悲しい。

王ヶ頭ホテルに到着し、ホテル前のベンチから望む景色。 

同じようなハイカーが数組、休憩しながら景色を眺めてました。 気温高めで温かく、この場所は風も強くないので、ぼーっと座って景色見てるだけでもいい気持ち。

王ヶ頭ホテルでトイレ(有料100円・土足禁止なので、足の装備を解かないとならぬ)を借りて、またスパッツつけ直してから王ヶ鼻を目指します。

ホテル裏手の最高地点、王ヶ頭の石碑。

あの奥の電波塔のある盛り上がり、王ヶ鼻を目指します。

王ヶ鼻周辺は、雪が綺麗で締まっていて歩きやすい。

美しの塔から王ヶ頭ホテルまでの道は、スノーシューツアー用の雪上車が通るからか、雪が汚く水を含んで滑って、チェーンスパイクでは歩きにくかった。

ウサギの足跡見っけ~!雪は動物の足跡が見えるのも楽しい。

振り返ってみると、王ヶ頭の電波塔とホテルが見える。

王ヶ頭から20分ほどで王ヶ鼻に到着。

本当なら北アルプスが見えるんだけどなー、春霞で全く見えぬ。

王ヶ鼻の先端の石仏群。背景に高い山々でなんか風情があります。

下は崖。先端までは怖くて行けない。

ええ、この説明のように、日本アルプスの見晴らしを期待してました。

でも、、まったく見えぬ~(涙)。残念、またいつか。

王ヶ鼻から王ヶ頭方面を見る。ほんとに平たい台地だよなー。

パノラマで。

今日は晴れてくれたのは嬉しいけど、展望は春霞で全くダメで、北アルプスのかけらも見えないので早々に王ヶ鼻から引き上げます。気分直しに王ヶ頭ホテルのランチに行こうと。

王ヶ頭ホテルのランチは14時までなので、急いで王ヶ鼻からもどり、私はカレー、オットはビーフシチューを頼みました。食べるのに夢中で肝心食事の写真撮り忘れたorz。

カレーは900円、ビーフシチュー1200円。とても美味しかったです。ここは日帰り客用の休憩室。

https://www.ougatou.jp/cuisine/cafe/

窓からは美ヶ原の雪景色。周囲に人工物のないこのホテル、静かで気持ちいい時間が流れてました。

お腹も満たされたし、このままお昼寝したい~。

ロビーにはお香の薫りがふわりと漂い、ホスピタリティーにあふれた、綺麗で感じのよいホテルでした。一度泊まってみたいホテルです、なかなか空きがでない上、ちょっとだけお高い人気ホテルだけど。

ホテル前のベンチでスノーシューをつけて、帰り道はスノーシューハイクをします。

さあ、雪原へ行くぞ。

まずは来た道を途中まで戻り、牧草地を美しの塔の裏手へショートカットするコースで。

時間的には14:30時過ぎて、山時間としては下山してないいけない遅い時間なんですが、美ヶ原は台地なので、通常の山より日射時間が長いんです。懸念の和田峠も雪無かったから下り道も大丈夫そうなので、日の傾いてきた雪原をゆっくり戻ります。それこそ夕日を見てもいいくらいの心持ちで。

ちょっと地面見えてるのが気分削がれるけど、いつもは歩けない牧場内を行くのは気持ちいい!

今日のザックは最近買ったカリマータトラ20L。スノーハイクや、ちょっとした歩き用に1月に購入しました。このサイズでヒップベルト有り、天蓋付き。 スノーハイクは足に重たい器具をつけるから、何よりザックが小さいと軽くていいです。ただ、カラーリングがお子さまザックみたいなのが玉にキズ。

www.karrimor.jp

柵の外側に出ます。うーん、解放感!

先人達がつけまくったトレースを避けて、何もないところに跡をつける楽しさ、スノーシューの醍醐味のひとつ。

開放的でいい気分。この地面出てる箇所を避けた先で、道を外れて牧場内ショートカットに行きます。

いざ、誰も歩いた跡のない斜面を下ります。

振り返ると、私達の下ってきた足跡。スノーシュー、登りより下りのほうが滑らすみたいに歩けて楽しいです。

斜面を降りてきた。けっこうトレース多数で、皆さん考える事はおなじだなー。スノーシューやワカンの跡がだいたいでしたが、ツボ足で歩いたあともちらほらと。歩きにくいだろうにすごいな。

周囲には雪の丘と、丘の上には青空だけ。白と青だけの世界が広がる。

丘を越えると、前方遠くに美しの塔が小さく見えてきた。あれを目指して歩きます。

来た方向を振り返る。斜めになってきた日差しに雪が光って綺麗です。

時間が遅いから誰もいなくて静か。美ヶ原を一人占めです。こんな時間まで雪原にいるのは新鮮。このまま夕日も見てみたい気もするけど、帰りの和田峠の下り道があるから、日があるうちに降りなくちゃ。

美しの塔の裏手に到着~!無事ショートカット雪原歩き成功。

ああ楽しかった、ありがとう美ヶ原。

パノラマで。落ちてきた太陽と雲、雪原の照り返しがいい感じでした。

帰り道、山本小屋あたりから見る王ヶ頭。まるで日暮れの雪の海に浮かぶモン・サン・ミッシェルみたい。これから雪原へ向かう人もいたけど、夕暮れや星空なんか撮るのかな。それも綺麗だろうな。

今年は雪が少ない上に、ここ数日の気温で雪が溶けていて雪質はいまいちでしたが、広がる大雪原と青空の白と青の対比を思う存分楽しめました。

憧れの王ヶ頭ホテルのランチも食べれたし、楽しく雪遊びした1日でした。

やっぱりスノーシューがあると、コースアウトして縦横無尽に歩けるのが本当に楽しい。たまに下が笹原などを知らずに歩いてしまい、下が空洞だからずっぽり踏み抜いて自力で出れなくなったりするのもご愛嬌w

あと、何しろスノーハイクは、雪がある=まだ花粉が飛んで無い場所ばかりなのが、この時期はサイコーなんです。くしゃみと無縁でいられる、嬉しいv

もしばらく、あちこちの残雪を楽しんで、花粉がおちついた頃に雪の無い山々を歩こうと目論んでいます。