どんな人生にも雨の日はある。

登山初心者の山歩きの記録と日常。行ける山から少しずつ。

戦場ヶ原 スノーハイク

f:id:Aoituki:20210225193844j:plain2/24水曜日。日光・戦場ヶ原の雪原を歩いてきました。

年明けから仕事は繁忙期に突入し、ほぼ職場と自宅の往復の日々。モニタの見過ぎでガチガチの背中にバキバキの首筋。眼精疲労にショボショボの目を閉じれば、疲れ果てた目の裏に浮かぶ景色はいつか見た紺碧の青空と輝く雪原。――嗚呼。ここではない何処かへゐきたい……………美しい自然の景色に癒されたい………。

 

『そうだ。戦場ヶ原、行こう』

 

てんきとくらす、略して『てんくら』の山と高原の天気予報では、2/24は天気晴朗なれど風強し。……なんだ…と……終日、風速11~15mだ…と?………(默)。

いつもならあまりの強風は楽しく歩けないのでやめにしますが、久々のアウトドアらしい野外活動のチャンス。わいは雪が見たいんじゃーー!雪を見せろーーッ!!疲れた心に癒しを与えろーーーっ!!(←心の声)

そんなわけで、疲れた心を癒しに雪原をスノーハイクしてきました。

 

f:id:Aoituki:20210225193858j:plainスノーハイクなので日が昇って暖かい時間から歩き出すのがいいかと、自宅をゆっくりめに出て、9:30ごろに三本松レストハウスの駐車場へ着。

時折、止めた車体を揺らすほどの強風が吹く中(怖)身支度を整えます。雪歩きなので膝下にゲイターを付けますが、慣れなくて時間を食いました。

f:id:Aoituki:20210225193912j:plain戦場ヶ原のハイキングの起点、赤沼駐車場は冬季閉鎖中。そのため800mほど湯ノ湖方面へ進んだ三本松レストハウスへ車を止めて、赤沼駐車場の前にある戦場ヶ原入口まで歩きます。

f:id:Aoituki:20210225193927j:plain赤沼駐車場併設のトイレは駐車場の冬期閉鎖に伴い閉鎖ですが、道を挟んだ向かいの場所にある赤沼公衆トイレは使用可能です。

ちなみに小田代原のトイレも閉鎖中ですのでご注意ください。このあたりでは三本松レストハウス赤沼公衆トイレのみ使用可能でした。

f:id:Aoituki:20210225193939j:plain赤沼入口から入ってすぐは、雪が踏み固められてつるつるアイスバーン状です。入口の公衆トイレ脇にある東屋でチェーンスパイク装備して歩きます。チェーンスパイクならこんなアイスバーンも普通に談笑しながら歩けます。

f:id:Aoituki:20210225193951j:plain左手の林の中に、誰かが作った雪だるま(笑)。

f:id:Aoituki:20210225194003j:plainなになに、湯滝へいく道が通行止めとな。今回は橋渡ったら光徳入口へ抜けるつもりだから問題なし。

f:id:Aoituki:20210225194014j:plain赤沼入口からは右手に小川が流れています。岸が凍った小川を見るのはいつぶりだろうか。半ズボンで走り回っていた子供の頃には、冬には必ず見るものだったけど。

f:id:Aoituki:20210225194026j:plain標識を湯滝方面へ。右手に曲がります。

f:id:Aoituki:20210225194037j:plain小川を渡って戦場ヶ原へ入ります。

f:id:Aoituki:20210225194052j:plain今度は木道の左手に湯川。上流の湯ノ湖から流れ出る川です。カモが何組か泳ぐ、のどかな景色。

f:id:Aoituki:20210225194107j:plain湯川も岸が凍ってる。この川はマスのブラウントラウトやブルックトラウトが釣れるので、釣り解禁時期にはフライやルアー釣り師が訪れますが、キャッチアンドリリースのみ可。釣るのは食べる分だけ、な初心者てんから釣りの自分にはちょいと難しい。

f:id:Aoituki:20210225194131j:plain湯川沿いのズミの樹林帯を抜けると、雪に覆われた湿地の向こうに、いきなりどどーんと男体山の勇姿。ウホーーーー、風は強いけど素晴らしい景色!

f:id:Aoituki:20210225194143j:plain男体山の左に目をやると大真名子山に太郎山。風が強くて寒くても、これだけ晴れてくれたら文句ナッシング。

f:id:Aoituki:20210225194154j:plainさらに左を見ると湯ノ湖の奥、金精峠方面には雪雲か。強風に乗って奥の山々から粉雪がキラキラ舞う、そんな天気です。

f:id:Aoituki:20210225194207j:plainお腹がすいてきたので、ベンチで山専ボトルに入れてきたお茶をのみ行動食をかじる。風の避けようがない場所なので、強風が吹くとヒーヒー悲鳴をあげながら。朝6:00に入れたお茶がぬるいのは、山専ボトルの閉め方がまずかったのか、マイナス気温だからか。

強風のベンチでは誰かが作った雪だるまが先に男体山を見ていました。

f:id:Aoituki:20210225194220j:plain今日の足元は、モンベルのチェーンスパイクに、通販で買った安物ゲイター(膝下を覆っているやつ)。まだ山歩き始めたばかりで、右も左もわからない頃に買ったゲイター。使いどころがなくてずっと登山用品入れ箱の奥に眠っていたけど、6年ぶりに陽の目をみました(笑)。チェーンスパイクも、使うのは二年前くらいに行った残雪のGWの北横岳以来だわー。

f:id:Aoituki:20210225194233j:plain強い風が吹き付ける度にヒーヒー言うけど景色はサイコー!天気もバツグン!

f:id:Aoituki:20210225194245j:plain白樺って、新緑や若葉もいいけど、雪景色と青空バックが一番映えて見えると思う。

f:id:Aoituki:20210225194300j:plain木道が雪にすっかり埋まっている場所もあるけど、たくさんのハイカーに踏みしめられている雪なのでチェーンスパイクでまったく問題なし。

f:id:Aoituki:20210225194313j:plainなんとなく、フォトジェニックな枯れ木。枯れ枝に切り取られる青空が綺麗で、夏もここの景色を写メした気がする。

f:id:Aoituki:20210225194328j:plain青木橋を渡ります。

f:id:Aoituki:20210225194343j:plain橋から下流を見る。葉を落とした冬の木々と、雪と青空の中を湯川がキラキラ光って流れる姿は、ぼーっとしながらずっと見ていられる。――強風がなければ。

f:id:Aoituki:20210225194355j:plain橋を渡って樹林帯に入ります。木々は強風を遮ってくれる。

f:id:Aoituki:20210225194409j:plainこのあたりは湿原より雪が多く、粉雪が溜まっている場所もありました。木道は完全に雪に埋まっている上、スノーシューやスキーのトレースもたくさんあって正しいルートがどれか惑わされます。間違えてスノーシューのトレースを歩いて、膝まで踏み抜きました。そのまま仰向けになって、ちょっと楽しかったけど。

f:id:Aoituki:20210225194425j:plainおひさまと、雪原と、木々の影。

f:id:Aoituki:20210225194436j:plainこの日はここまで誰とも会わず。雪の戦場ヶ原を独り占めです。

f:id:Aoituki:20210225194450j:plain雪原に落ちる木の影がこんなに風情があることは、スノーハイクで見るまで知らなかった。

f:id:Aoituki:20210225194504j:plain夏場はお世話になるベンチ、冬は雪に埋まってるのか。

f:id:Aoituki:20210225194533j:plainでも、木の周囲が丸く溶けてきたら、雪解けは近いと何かで読んだ。

f:id:Aoituki:20210225194550j:plain泉門池(いずみやどいけ)に到着。

f:id:Aoituki:20210225194606j:plain湧水が出てるらしく、飲めるくらい綺麗だと聞いた覚えが。夏も透明で綺麗だけど、冬はさらに透明度が増して綺麗に見えた。

f:id:Aoituki:20210225194623j:plainここもベンチが半分埋まっている。ベンチはだいたい40~50cmくらい高さがあるはずなので、日向でも50cmは積もっているのかな。

f:id:Aoituki:20210225194643j:plain泉門池(いずみやどいけ)の休憩ベンチコーナーから出るとすぐのところは、広場状の上にトレースが縦横無尽にあって、どこがコースか分かりにくい場所。目印のポールを辿って歩きます。

f:id:Aoituki:20210225194658j:plainこんな細いポールが目印い立ててあるので、これを辿っていけば木道に出ます。

f:id:Aoituki:20210225194713j:plain田代橋。橋を渡り、左手に階段を登ります。

f:id:Aoituki:20210225194725j:plain橋からの景色に毎回見惚れる。熊笹にかぶる雪や、川の中の倒木、蛇行した流れなどどれも自然なのにどれも計算されたかのような美しさがある。まるで一枚の絵のようだ。

f:id:Aoituki:20210225194740j:plain岸辺の雪に、何かの歩いた跡。鳥か?小動物か??

f:id:Aoituki:20210225194755j:plain橋を渡り階段を登った先、左手に進む湯滝方面は通行止め。右手、光徳入口へ向けて樹林帯内を進みます。

f:id:Aoituki:20210225194808j:plain光徳入口から戦場ヶ原へ入ったことがないので、この部分は始めて歩くコースです。わくわく。

f:id:Aoituki:20210225194823j:plain湯川へ注ぐ小さな流れは凍りついていました。戦場ヶ原内にはいくつかの小川がありますが、川床が赤っぽいのをよく見るんで、なにがしかの温泉成分が混じっているのではないかと思ってます。湯川からして、源の湯ノ湖が温泉が湧いてるから、温泉成分混じってるだろうし。

f:id:Aoituki:20210225194837j:plain樹林帯を抜けると真ん前に男体山がでてくるこのビューは、控えめに言っても最の高だと思う。

f:id:Aoituki:20210225194850j:plain広角カメラで。広角カメラは画素数が落ちるので空の色が白っぽくなるけど、こちらのほうが開放感は伝わると思う。

f:id:Aoituki:20210225194907j:plain男体山大真名子山、太郎山が並び見える。風は強いけどスゲーいい景色!

f:id:Aoituki:20210225194923j:plain湿原の木道は平均でこれくらい、20~30cmくらい積もっていました。雪の上を歩くからいつもより30cmくらい視点が高い。背が高くなるので木々が上にあるところは注意しないと帽子を枝に引っ掛けます(←やった)。

f:id:Aoituki:20210225194953j:plain強風吹きさらしの湿原部を抜けて、再び樹林帯へ。樹林帯へ入ればもう少しで光徳入口です。

f:id:Aoituki:20210225194937j:plain差し込む陽光が、雪の表面をキラキラさせてました。

f:id:Aoituki:20210225195015j:plain光徳入口へ到着。このあとは車道を900m程歩いて、車を止めた三本松レストハウス駐車場へ戻りました。

 

いやー、久々に楽しくて楽しくて、アドレナリン出まくりのワクワク歩きでした!

雪が好きです。父が青森出身で、子供の頃は夏に冬に青森へ帰省していました。そのせいかDNAレベルで雪好きが刻まれているのかもしれないと思うほど、雪を見るとワクワクします。雪見とつく行事は全て好物。雪が降るとソワソワするのでほとんど犬レベル(笑)。

そんな自分には、このスノーハイクは楽しくて楽しくてすごく癒しになりましたが、ずっとニヤニヤしながら歩く姿は、傍目にはそうとう変な人だろーなーwww。

この日は10:30スタート(チェーンスパイク忘れて車に取りに戻って30分ロス)で13:20に車に戻りましたが、気温が上がってきてるはずのこの時間でも車の温度計はマイナス4℃を指していたので、朝はマイナス6℃以下は固いなー。どうりで朝の支度してるとき素手だと指がちぎれそうなほど寒かったわけで。

服装は、下半身が冬用厚手サポートタイツに冬用裏起毛防水パンツを履いて、レインウェアのズボンをその上に履いてます。上半身はアンダーにジオラインの薄手、厚手の冬用長袖、薄手のフリースにライトシェルパーカー。その上にレインウェアの上を重ねて、ネックウォーマーと毛糸の帽子。それとサングラス。雪原は下からも反射するので目の保護に。

しかし楽しかったなー。あまりに楽しかったからもう一回くらい、雪解けまでにスノーハイクしたいぞ。霧ヶ峰か美ヶ原あたり歩いていたいかもー。

 

気が付けば仕事の疲れは雪原と青空と15mの強風wに吹き飛ばされ、乾いた心は癒されてました。久々のハイクにすこしだけ脚の筋肉が重たいけど、明日からの繁忙期もかんばるぞぃ!