どんな人生にも雨の日はある。

登山初心者の山歩きの記録と日常。行ける山から少しずつ。

双子池(北八ヶ岳)

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 9/19の木曜、北八ヶ岳の双子池を歩いてきました。

双子池は前から歩きたいと思っていて、歩くなら双子池から亀甲池を経て天祥寺原を抜ける周回コースを歩きたいと思ってました。

が、今日は連休でなく単発の一日休み。いつも山歩きするときは二日連休の一日目に歩いて、翌日を予備日にして体を休めています。今日はそれが出来ないから、歩いたことのない長さのある道を行くより、池までのピストン(往復)コースにして、こんど周回コース歩くときの下見にしよーよと、軽い山歩きに行ってきました。

 

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 実は、8月中旬にボーナスで新しい登山靴を購入。一年前くらいからずっと欲しくて資料を見たりしてたイタリアの登山靴メーカー、スポルティバのトラバースX5GTX、略してTX5。

山歩きを初めて数年経ち、八ヶ岳などの岩がごろごろした岩道を長く歩くことが増えてくると、今履いてるサロモンのミッドカットでは岩場で足の裏が疲れたり、足首が危うかったり、濡れた岩で滑ったりする事があるなー、ハイカットでシャンク(ソールの中に板状のものが入っていて悪路の下からの突き上げを緩和)がある程度ある、もう少し靴底の硬い登山靴にしたいなーと必要性を感じてました。

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 かといってアルパイン用のアイゼンつけるようなコバのある本格的登山靴では私にはオーバー性能だし、そこまでいかなくて、それでいてまあまあ軽くて、見た目もカッコイイのがいいなーと色々見ていってたどり着いたのがこのスポルティバTX5。

このトラバースシリーズはもともとクライミングのアプローチシューズ(岩に登る人が岩場に行くまでの登山道で履く靴)から派生したトレッキング用なので、岩にめっぽう強い上、ハイカットなので足首のホールドも今のミッドカット以上にしっかりするのだ。

このおニューのシューズの慣らしも兼ねていたので、短めコースで岩場のある場所って事で北八ヶ岳の双子池にしたのでした。

本当は8月末でも歩きたかったけど、天気が良くなかったり、お盆に妹たちからうつされた風邪が意外に長引いたりして(風邪からの結膜炎にまでなった)、8月後半は出かけられず。早く新しい靴を試したくてそわそわしていました。

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 今回は黄色のコースの往復。登山口の大河原峠がすでの2093mあるので、一番高い地点双子山山頂2224mまでは200m弱ですが、目的地の双子池へはひと山越えて行く感じです。双子山山頂は、360℃開けてすごく視界がいいと聞いていたので、飲料水になるほどという綺麗な双子池も楽しみだけど、山頂からの景色も楽しみ。

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 朝4:00に起きて5:00に家を出、関越から上信越に入り、佐久インターで降りて、蓼科スカイラインを通って、目的地の大河原峠についたのが8:00頃。トイレしたり支度してから8:30くらいから歩き始めました。

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 空は晴れてましたが、雲が次々に上がってきて、時々視界が真っ白になります。

大河原峠には大河原ヒュッテという山小屋がありますが、たしか北横岳の北横ヒュッテと同じで、予約が入った時だけ営業する小屋だったような。

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 平日なのに意外に車が止まっているなー。準備している間も、近場の温泉に宿泊しているらしい老人グループが峠付近を散策しに来てたりしました。

ここは百名山蓼科山の登山口もあるので、それで人が多いのかもしれない。

蓼科山への登山口は大河原ヒュッテの裏側なので、雲霧のなかそちらへ歩いていく登山者も複数見かけました。

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 双子池への登山口入口。また雲が上がってきてガスってる中、ここから登り道スタートです。

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 10分ほど歩いて標高を少しだけ上げると、雲のガスから抜けます。足元はガレた岩道。新しい靴はメガグリップのビブラムソール。しっかりグリップするので滑らず快適に歩けました。

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 ガンコウランかな?少しだけ紅葉してる。小さい秋見つけたー♪

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 写真を取りながら、急勾配に休みながらなので、山と高原地図の山頂までのコースタイム20分のところ30分くらいかかって、やっと山頂手前の開けた場所に到着。ケルンがあるし、一瞬、ここが山頂かと思うけど違います。山頂はここからさらに先、もうひと登りです。

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 でも、開けて景色は気持ちイイ!雲海がばっちり見えます。雲海の先には浅間山

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 雲海の奥、遠くにみえるのは北アルプスか。雲海、晴れた空の元でちゃんと見たことなかったからテンション上がりました。

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 もうひと登りして、双子山山頂着。2224m。景色に見とれたり、写真とったりしてて、9:20頃になってました。50分、コースタイムの2倍以上だなw

タイム競ってるわけではないし、往復の場合、帰り道は写真ほとんど撮らないからコースタイム近い時間で帰れるいつものパターンだと思います。(実際そうだった)

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 山頂は草原にでかい岩がゴロゴロしていて、展望の開けた気持ちのいい場所です。

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 右が百名山蓼科山、左が北横岳。北横岳は昨年5月GWに、残雪の中をチェーンアイゼンで登ってます。2つの山の真ん中、雲海の彼方には中央アルプスの3000m峰が顔を出してます。

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中央アルプスをズーム。 右側中央あたりが木曽駒ケ岳かな。左側が空木岳かな。やっぱり3000mは威風堂々としててカッコイイ。

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 平たくなった山頂をすこし歩き、山を下ります。山の向こう側も雲海がすごい。雲海で山々が見えないと、天空の散歩道とか、ラピュタの庭園とか、そーいう気持ちになりますw

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 気持ちはいいけど、ここはまあまあの風の通り道で、この日もけっこうな強風で、長くは山頂に留まれませんでした。

風さえなければ、敷物しいて寝転がりたい展望なんだけどな。

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 看板も落ちてる。そのままにしてあるってことはそれだけ風が常に強いんだろうな。双子池1キロ記載だけど、山の1キロは平地の5キロくらいある感じで考えないと痛い目にあいます、色々(経験済)。

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 さて、登ったぶんだけ下らないと。コメツガやシラビソの樹林帯の中、熊笹の下生えが続く苔むした岩ごろごろの道を下ります。

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 苔むしている上、雲霧が通るから濡れている岩の上でも、TX5はしっかりグリップ。ソールが厚いから尖った岩の上を歩いても足の裏に岩の尖がりが当たりません。足の裏が滑らないと、下り道も歩きやすい。岩の頭を踏んでぽんぽん行ける。

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 ところどころ、平坦でいい感じの場所もあります。そういう場所では立ち止まって一休み。

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 ここも広くなった場所があって、倒木がちょうどベンチになってちょうど良い休憩ポイントでした。深呼吸するとシラビソの香りが気持ちイイです。甘くて爽やかな森林浴の香り。

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 途中、登山道脇に低い位置に立派な枝を張り出した大木が生えています。ここまでくればあと10分くらいで双子池です。

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 大木から少しすると建物の屋根が見えてきて、双子池ヒュッテの裏手に出てきます。ついたー!双子池!

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 ヒュッテ入口脇から見下ろす双子池の雄池。ヒュッテは一段高い場所にあるので、池を見下ろす展望が素晴らしいです。

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ヒュッテ入口のベンチにザックを置かせてもらい、下に降りて池を見に行きます。下に見えてるベンチで後でお昼にしました。

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 見えてる雄池はあとにして、まずは雌池より。下に降りてヒュッテを背に、右へ行きます。

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 雌池の湖畔周って亀甲池方面へ歩く道がついているので、亀甲池方面へ。

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 カラマツの間から雌池がひっそり顔を出します。亀甲池方面へ歩いて湖畔へ出ます。

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 すこし色づいてきたダケカンバやカラマツなどに彩られた雌池。雄池ほどの透明度はないけど、これはこれで綺麗だと思う。魚もいるそう。

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 双子池のテント場は、この雌池の対岸にあります。ここは池ギリギリの湖畔にテントが張れるテント場。夜の星空もすごく綺麗だとか。風のない晴れた夜は、池に星空が映り込むそうです。――なにそれステキw

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 ヒュッテ前あたりには北横岳から降りてくる登山道の指導標が。北横岳→大岳→双子池はかなりの急な下り道と聞いてます。単独行の20代くらいの、体力ありそうな若いおにーさんがこの道から降りてきていました。

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 雄池。ビューポイントにはカメラを置いてセルフタイマーで撮影出来るように台が設置されています。そのビューポントから撮影。

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 うわ、たしかに水が綺麗。抜群の透明度です。

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 写真には映ってませんが、ヒュッテの取水ホースが左側から池の中ほどまで入ってました。ほんとうにこの水、飲料水なんだな。

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 この池は池の中に湧水が湧いているので透明度が高く、飲めるそうです。小屋番のおじさんが、10月頭くらいに紅葉するから、その時期はもっと綺麗だよと教えてくれました。

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 ヒュッテの入口脇のベンチにザックを預けて池を見にきたのは、雄池はこのルールがあるのをあらかじめ調べていたから。カメラ、水筒以外湖畔に持ち込み禁止。

綺麗な池を見ながら湖畔で食事をしたいところだけど、山では貴重な飲料水だからね、そこは自重しないと。

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 雄池入口側にあった持ち込み禁止看板より外に、ベンチと机があったのでそこで袋ラーメンのお昼を食べて、12:00頃、双子池を後にしました。

帰りは双子山山頂まで登り50分(コースタイム45分)、山頂から駐車場まで下り30分くらい(コースタイム15分だけど下りは苦手なので)で下山できました。距離的には往復4キロほどの、ほんとうにプチ山歩きって距離ですが、けっこうな登り下りなので、それなりに疲れます。

いつもなら帰りに温泉立ち寄りしますが、今日は明日仕事なので温泉に入らずまっすぐ帰宅。夕方17:00頃には帰宅して片付けや洗濯を行い、早めに就寝しました。

 

おニュー登山靴のレポとしては、この日、TX5に今までサロモンで使っていたシダスのインソール(中敷)を入れて歩いてみましたが、インソールのヒールカップがすこしカカトに当たるので、次回はインソールを元のものに戻して歩いてみようと思います。初めからアレンジせずに、まずはそのままで歩いてみるべきだったと反省。

それ以外はまったく問題なく、岩も木の根なども滑らず、濡れた場所やぬかるみも問題なし。足の裏の硬さも、今まで岩道を長く歩くと足の裏が疲れたり痛んだりしたんですが、それも無く快適でした。ハイカット初めてでしたが、足首までホールドされる安定感も悪くない。足幅も細身で足に合ってるみたいで、最近、山歩きの後は足の小指の裏に豆ができたりしていたんですがそれも無し。足が靴の中で遊んでないからだと思います。それでいて足先の親指などは靴先に当たらない。しっかり足が靴の中で固定されているからだと思います。

色々な場所や条件で使ってみないと、まだまだ分かりませんが、初の新品登山靴の慣らし山歩きは、なかなか良い靴だとの総評になりました。もっとも、29000円(税抜きw)出してるんだからいい靴でないと困るんですがww

 

※このTX5、もしかしたら足の甲の高い方には向かないかもしれません。主人が甲高なんですが、男性用試してみても甲がきつくて合わなかった。私は甲の薄いタイプですが、それでもインソール入れると大きい方の左足の甲外側で当たる場所がありました(私は足左右のサイズが少し違う)。その日の足のむくみ方やソックスの違い、インソール有り無しでも色々差が出ると思いますんで、色々試してみようとは思いますが。

パンプスで23.5cmの足ですが、サイズ39、24.9cmのをさかいやシューズ館で見てもらって購入しています。大きい方の左足基準で見るとこれがギリサイズかなと店員さん。登山靴購入の際には、一度、店舗で経験豊富な店員さんに見てもらうことをお勧めします。登山靴は、まずいつも履いてる靴下を履いて足のサイズ計測し、靴を履いてからつま先に足を思いっきり詰めて、踵に指1本がするりと入る位のサイズを店員さんが見てくれます。ジャストサイズでは登りが良くても下りで爪先を痛めて爪が死ぬので、ひとサイズ大きいくらいの靴を選びます。パンプスやサンダルとは選び方が根本的に違うのが登山靴、よく履く登山ソックス持参で試し履きに行くのがおすすめです。

 

※2 ちなみに、このブログ書いてる時点では、すでにインソールを元のスポルティバ純正に戻し、ソックスだけ新しいものに変えて登山を行っていて、足の甲の当たりや、カカトの当たりもその条件では解消されてます。前回のソックスと同じではないので、次は前回のソックスで試してみたいし、今回の新しいソックスとシダスインソール入りでも試してみたい。

 

 

★オマケ

秋といえばキノコ。そう、キノコ狩り(カメラでの)の時期ww

ここからは今回の登山中に見つけたキノコ達の写真です。帰ってからブログ書き書き、図鑑などで調べながら種類を同定していますが、キノコは個体差が大きくて、ほんとうにそうかはわからにゃい、ってのが本音。種類に関しては、そうではないかなー?程度の気持ちで見てくだされ。

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 双子山山頂から少し下ったあたりの樹林帯で。たぶんウラグロニガイグチ。毒。

イグチ系は美味しいキノコが多いんだけどね。イタリアで有名な美味しいキノコのポルチーニとかイグチ系、日本ではヤマドリタケの名前です。

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 日のあたるコケの中に生えていた。ツチカブリかケシロハツかな?うーーん、よくわからん。このキノコはコケのなかに生えてるのを何度か見ました。

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 これはきっとイッポンシメジ。毒。図鑑の写真と特徴が一致したので。

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 オオキツネタケ?日のあたる登山道脇、下生えもあまりない場所にに生えてました。あまり大きくないキノコです、3cmか5cmくらいの。

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 たぶん雨で色あせたドクベニタタケ。本当はもっと赤いけど、雨で色褪せる性質と聞いたので。あとはカワリハツの赤の可能性もあり。

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 同じくドクベニタケ。

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 たぶんカラマツベニハナイグチ。裏側の管孔も図鑑と一致するし。周りにはカラマツあったし。これもイグチ系キノコ。

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 アカタケ。食べれないけど、キノコで布を染めるキノコ染の材料になるそうで。3cmくらいの、ちいさな赤いキノコです。

 

キノコを見つけるとわくわくして、つい収穫したくなりますが、撮っていいのは写真だけ。それに、キノコほどリスキーな採取植物もあるまいw図鑑で同定するのが難しいモノを口にいれる勇気はありませんてw