どんな人生にも雨の日はある。

登山初心者の山歩きの記録と日常。行ける山から少しずつ。

晩夏の大菩薩嶺(リベンジ)

f:id:Aoituki:20200827162925j:plain8/26水曜日。水木連休だったし、天気予報も水曜は午後15:00くらいから曇りという予報だったので、昨年11月に悪天候で撤退した大菩薩嶺(だいぼさつれい)にリベンジ登山してきました。

朝夕の気温が下がりはじめて、しのぎやすくなってきた晩夏。しばらく好天も続く様子なので、いい天気のもと、今度こそ富士山を望む稜線歩きをしたい!とチャレンジ。結果、ピーカンとまではいかなくても良い天気に恵まれ、2000mの涼しさ(18℃)を味わいながら絶景の山歩きとなりました。

 山歩きは早起き早出が基本ですが、お互い前日仕事で疲れていたので、明日は5:00起き6:00出で9:00登山開始、14:00か15:00下山くらいの感じで登るべー、昼飯もコンビニおにぎりで、という感じに。一度途中まで歩いたことのある山なので、すこしゆるめでいくかと。(これが初登山の場所とか、7:00登山開始だとかの本気登山の場合、さらに2時間繰り上がり3:00起き4:00出か、前日夜に移動して車中泊となる)

大菩薩嶺山梨県秩父多摩甲斐国立公園の一部です。この地名は時代小説の『大菩薩峠』で有名。日本百名山で標高2057mありますが、登山口の1600mまでマイカーで来れるので気軽な日帰り登山として人気の山です。

今回は圏央道→中央道で勝沼ICで降りて、そこから上日川峠の登山口まで1時間ほど。6:30に地元インターから乗って、途中でトイレ休憩などして2時間ちょいほど。いつもの佐久インター経由の長野の山に比べれば近いと思ってしまう我々はすでに登山脳なんだろうなー。八ヶ岳あたり、高速3時間がふつーだもんなー。

f:id:Aoituki:20200827162944j:plainで、人気の山の上に今回は開始が遅かったので、登山口の上日川峠の駐車場にについた8:50にはメインの第一駐車場やロッジ長兵衛の前はほぼ満車。すでに降りて来る人もチラホラ。ほんと登山って早朝勝負だなーとつくづく思う。

f:id:Aoituki:20200827162956j:plainしたくを整え、ロッジ長兵衛横にある登山口へ。登山口手前にある山域図。赤く記された現在図から福ちゃん荘前をまずは目指します。

f:id:Aoituki:20200827193139j:plainで、もっと詳しい登山地図はこちら。今回は左下の上日川峠より行きは黄色の線、帰りは紫の線です。行きは唐松尾根を歩きましたが、見ればわかるようにほぼ直登(急な坂をジグザクに歩きやすく登らないでそのまままっすぐ登ること)。今回は来月に延期された尾瀬での長距離歩きのための練習でもあるので、唐松尾根を頑張ります。

f:id:Aoituki:20200827163008j:plain登山口。福ちゃん荘までは舗装された林道が伸びています。たぶん物資の輸送のためだろうなー。舗装路は帰りにだらだら歩くとして、ちょっと林道をあるくと左手に登山道入口があるのでそこから入ります。

f:id:Aoituki:20200827163021j:plain 登山道に入った歩き始めは登りですが、木漏れ日の気持ちいい道です。

f:id:Aoituki:20200827163032j:plainすぐに平坦になり、ゆるいアップダウンを繰り返して30分ほどで福ちゃん荘前に着きます。

f:id:Aoituki:20200827163044j:plain福ちゃん荘前に到着。軽食やお土産を扱う山小屋です。離れた場所にきれいなトイレもあります。この福ちゃん荘前で唐松尾根へ向かう道と、大菩薩峠にある山小屋、介山荘へ行く道とに分かれます。

f:id:Aoituki:20200827163057j:plain前回、天気も良くなかったので止めた唐松尾根、今回はこちらから向かうつもり。

f:id:Aoituki:20200827163109j:plainさあ、自分のガラスの膝はどこまでもつだろうか。なかなかの登りごたえと聞く唐松尾根にチャレンジ!

f:id:Aoituki:20200827163122j:plainはじめは唐松尾根の名前のとおり、唐松林のなかのゆるい登り道です。昔、コンクリで舗装されていた跡がありました。ここ、晩秋に真っ黄色になった唐松林もきれいだろうなー。

f:id:Aoituki:20200827163137j:plainやがてゆるい道は終わり、ガレ場の登りが始まります。わー、きらいなタイプの足元が動くサイズの岩道だー。

f:id:Aoituki:20200827163152j:plainもくもくと歩き、高度を上げていきます。高度が上がると息も上がりやすくなるので、立ち止まり息を整えてまた歩き出す、その繰り返し。たまに平坦な道が出てくるとすごく嬉しい。

f:id:Aoituki:20200827163203j:plainあ、木々の隙間から南アルプスが見える!

f:id:Aoituki:20200827163216j:plainもうちょい歩いて高度をかせいでから振り返ると、木々の間に富士山が見え始めた!

f:id:Aoituki:20200827163232j:plainよし、もうちょい歩けば樹林帯を抜けて開けるから富士山がもっと見える!とさらに高度かせぐ=もくもくと登る。きつい唐松尾根の飴と鞭で、富士山の絶景につられて登らせられている気分(笑)。しかし、眼前にダム湖の大菩薩湖と富士山が見えて来ると気分アガるゥ♪

f:id:Aoituki:20200827163245j:plainそうそう、この景色が見たくて大菩薩に来たのよー。この山はダム湖の大菩薩湖ごしに富士山を見れる山なのです。そして、天候が良ければこの絶景を山頂から介山荘へつづく稜線からもずっと望めるのです(だから人気がある)。

f:id:Aoituki:20200827163257j:plain富士山を見ると気分がアガるのは日本人のサガ。上がった気分のまま青空が見えてきた山頂と思われるほうへ、もうひと登りがんばる。

f:id:Aoituki:20200827163309j:plain山頂ではなく、唐松尾根の中間点あたりにある1850mくらいのピークでしたが、さらに高度が上がり開けた場所から望む富士山が綺麗。

f:id:Aoituki:20200827163321j:plainちょっと雲が出てきてしまったけど、開けていていい景色が望めるポイントらしく、降りてきた他の登山者と並んでしばらく景色を眺めてました。

f:id:Aoituki:20200827163333j:plainうん、いい景色。こういうのが見たくて来たから、すごく嬉しい。

f:id:Aoituki:20200827163344j:plain富士山に元気もらって最後のひと登り。この最後の100mくらいが一番キツかった。日差しはキツいし傾斜もきつい。ときおり吹く涼しい風がすごくありがたかった。

f:id:Aoituki:20200827163356j:plainよれよれになってどうにか唐松尾根を登り終え、大菩薩嶺の稜線へ出ます。雷岩というポイントです。

f:id:Aoituki:20200827163410j:plain振り返ると富士山。唐松尾根を登りながら何度も見てきたけど、やっぱりてっぺんから見る富士山はいいなー。

f:id:Aoituki:20200827163423j:plainこれが雷岩。下から登ってくるとき、ここでお昼食べている方々が見えました。我々も唐松尾根でエネルギー使い果たして途中からお腹ペコペコだったし、ちょうどお昼どきだしで昼ご飯にします。

日なたは暑いので、木陰を探して敷物を敷いて、コンビニで仕入れたサラダ巻やパンを補給。しかし、朝8:00くらいにサンドウィッチ食べてるのに3時間くらいで綺麗に消化されてる事に驚く。やっぱ登山はカロリー消費激しいな。

f:id:Aoituki:20200827163435j:plain食事を採っていると、野生の鹿が近づいてきました。逃げずに我々を見つめて物欲しそうにしているので、登山者が餌付けしてしまった個体だと思う。ふつう、野生動物は人間見たら安全圏まですぐ逃げます。野生動物に食べものを与えるつもりはさらさらないので小枝を投げて追い払うと、違う登山者グループに近づいていきます。

f:id:Aoituki:20200827163456j:plain登山者が残した残飯で味をしめたか、可愛い!と投げられた食べ物で味をしめたか。

f:id:Aoituki:20200827163511j:plain 野生の個体をここまで近くで見れることはないので、シャッターチャンスでラッキーの反面、良くないことだなと考えてしまいます。人間から簡単においしい物がもらえることに味をしめた個体は人を恐れなくなります。そしてヒトを恐れなくなった個体は、いつかヒトから食べ物を奪おうとするでしょう。これが鹿だからまだマシかもしれないけど、熊だったらどうなるか。餌を与える人は、可愛いだけでなくそのあたりも考えてほしい。野生動物と人間は棲み分けるべきです。悲しい事故が起きないように。

 

と、まあ真面目に書きましたが、感情でひとこと言えば、そんなに無用心だと「喰 っ ち ま う ど」。鹿肉は大好きだw

f:id:Aoituki:20200827163525j:plainさて、エネルギー補給を済ませたら、介山荘のある大菩薩峠へ向かいます。

f:id:Aoituki:20200827163541j:plain午後になり、予報通りに雲が出てきた。富士山も雲に隠れて残念だけど、さっきたっぷり見れたから良しとする。

f:id:Aoituki:20200827163557j:plainうおー、かなたまで続く笹原の稜線と、そこに伸びる一本の道。山頂を通り、鞍部へおりて斜面を巻き、その奥へと続いていく。

f:id:Aoituki:20200827163611j:plain雷岩方面を振り返る。青い空に白い雲が夏の風景。晩夏らしくすこし色あせた緑が、山の早い秋を感じさせます。

f:id:Aoituki:20200827163624j:plain稜線歩きを『天空の散歩道』と言うけれど、本当にその通りだと思う。ここを歩いていくと思うとわくわくする。

f:id:Aoituki:20200827163639j:plain足下はけっこう岩場だったり、ガレていたりしてけして足場が良く歩きやすいとは言えないけど、絶景はそれを気にさせない。久々の山歩き、登りで左足かかとが当たったらしく水ぶくれて痛かったけど、稜線では気にならなかった。

f:id:Aoituki:20200827163654j:plain鞍部にある賽の河原と言うポイントに到着。あちこちに積まれたケルンが賽の河原の小石積みに似てる景色だからか。

f:id:Aoituki:20200827163707j:plain歩いて来た方向を振り返る。あ〜、いい道だった。

f:id:Aoituki:20200827163720j:plainこの賽の河原には避難小屋があるので、中で座って一休みします。

f:id:Aoituki:20200827163732j:plain避難小屋とは、天候の急変や怪我などの体調不良などで山歩きを続けられなくなった時に一時避難する場所です。ふつうの山小屋とは違い、小屋番さんはいないし、水場やトイレなどもないことが多いです。賽の河原避難小屋は奥には小上がりがあって、シュラフがあれば泊まれそう。

f:id:Aoituki:20200827163744j:plain 賽の河原からひと登りすると親不知ノ頭というピークに出ます。ここをくだれば介山荘はすぐ。

f:id:Aoituki:20200827163759j:plain来た道を再度、振り返る。よかったよ大菩薩嶺、とても気持ちのいい道でした。是非、また季節を変えて歩きたい、気分のアガる素敵な稜線歩きでした。

f:id:Aoituki:20200827163812j:plainさあ、ここを降りれば介山荘。この気持ちいい道が終わってしまう寂しさと、はやく介山荘で冷たいものでも飲みたい、休みたいという気持ちと。

f:id:Aoituki:20200827163824j:plain13:50に介山荘前にとうちゃーく。ここから下山まで実際はまだ1時間くらいあるけど、林道をだらだら下りる感じなので自分的にはここがゴール気分。

f:id:Aoituki:20200827163835j:plain介山荘前から名残惜しく来た道を振り返ります。いやー、いい道だった、大菩薩嶺から介山荘のある大菩薩峠までの稜線歩き。人気なのがわかる。

今日は午後から雲が出てきてしまったけど、天候によってはずっと稜線から富士山や大菩薩湖、南アルプスまで見ながら歩ける天空の散歩道、これが人気がないはずがない。唐松尾根はキツかったけど、私みたいな軟弱登山者でも登れるくらいだし。山小屋もあちこちにあるのでトイレもあるし。日本百名山でも人気の山なのが良く解りました。

このあと、介山荘でアイスキャンデーとアイスコーヒーを注文し、ザックを降ろして20~30分休憩します。汗をたっぷりかいた登山後のアイスキャンデーは、登山後の生ビールに匹敵する旨さだという事を発見。アイスコーヒーも、濃い目で冷え冷えで美味しくて、天にも昇る一杯でした。

f:id:Aoituki:20200827163848j:plain介山荘裏から下山開始。こんな感じの林道を、ガラスの膝裏が痛み始めたのでだらだらと降りていきます。1時間くらいで15:30には下山完了。

f:id:Aoituki:20200827163900j:plain大月ICから中央道に乗りますが、すでにお互い空腹を感じていたので、談合坂SAで早めの夕食にします。食後のデザートでソフトクリームを探していたら、目に留まったのは談合坂というか山梨名物のこれ。

f:id:Aoituki:20200827163913j:plainもちろん、信玄餅はノーマルよねと桔梗信玄ソフト+を注文。甘いものも補充して、帰宅の途につきました。

 

今日は昨年11月のリベンジ&来月の尾瀬歩きのためになまった脚の具合をみよう、というコンセプトで気軽に、ほとんど思いつきで歩いてみましたが大当たりでした。

景色は良かったし、気持ちのいい道で気分アガったし、念願の大菩薩からの富士山も見れたし。その上、さすが2000mは涼しくて山の上は18℃くらいで快適でした。登山口に下山してきても車の温度計は24℃で快適、それが山を降りたら途端に34℃とかに上がってげんなりしました。山頂に吹く風は天然のエアコンのように冷たくて気持ちが良かったことを思い返しながら、暑い地元へ戻りました。

なまった脚も、300mほどの登り(通算すれば500m)の唐松尾根を、休みながら時間かけながらでも歩き切れたなら尾瀬でもたぶん大丈夫ってことでOKとしました(300mだと東京タワーくらいの高さを歩いて登ってる計算です)。9月後半に延期した尾瀬歩きまでに、もう一度くらい、どこかの山を歩けたら歩いて、脚を鍛えておくかな。