どんな人生にも雨の日はある。

登山初心者の山歩きの記録と日常。行ける山から少しずつ。

千手ヶ浜(日光・中禅寺湖)

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7/25木曜日。少しだけ天気が安定しそうな予報だったので、軽く歩こうかと日光の中禅寺湖畔・千手ヶ浜へ行ってきました。

しばらく雨続きで、前回の志賀高原から1ヶ月ほど歩けてなかったし、この日も午後には天気が崩れる予報の上、翌日仕事なので、軽く歩けて景色が綺麗で、山頂を目指すピークハントでない場所がいいなと湖畔歩き選択。

ここは昨年も秋に歩いた事があるんですが、途中にある小さな入江が静かですごく素敵な場所です。トチの木やクヌギなどの落葉樹の巨木の向こうに、青い湖水が静かに佇むプライベートビーチのような小さな浜辺が現れる様は、まさに歩いて来ないと見れない絶景地です。

日光・奥日光は華厳の滝側の土産物の並ぶあたりや、奥日光の戦場ヶ原などの人気スポットは平日でも歩く人が多いですが、この竜頭の滝から千手ヶ浜へのコースは人気がないのか、いつ来ても人が少なくて静かに歩けるのもいいところ。

距離的には片道4キロ、1時間半程度の軽い山歩きにレッツ・ゴー!

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本日は4:00起きで5:00出発。最寄りの関越東松山インターから沼田インターまでだいたい1時間半、沼田から下道もだいたい1時間半で約3時間かかります。

今回は竜頭の滝の駐車場(無料・20台程度)に車を止めて、竜頭の滝から千手ヶ浜まで歩き(紫の線・往路)、天気が持ちそうなら西ノ湖まで、持ちそうでないなら千手ヶ浜からバスで石楠花橋まで行き、石楠花橋から竜頭の滝まで歩いて戻るコースです。

地図真ん中上部の紫の丸印が竜頭の滝、その左下の紫丸が栃窪という浜のある場所、左側の紫丸が千手ヶ浜です。青い線がバス乗車区間、真ん中上の赤い線がバス降車地点から竜頭の滝までの復路です。

往路は千手ヶ浜より下、千手堂まで歩きましたが、だんだん雲が出てきて強風が吹いてきて、これは雨くるぞーという状況のため写真はありません。しかも現地の看板には片道10分と書いてありますが、このヤマケイの登山地図では25分記載、どーりでなかなか着かないと焦ったわけだわ。

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 朝8:00に竜頭の滝駐車場着。早い時間のためガラガラです。中禅寺湖畔の観光名所である竜頭の滝には、滝の上部の滝上駐車場、国道沿いの滝下駐車場、道を渡って湖畔に向けて降りていくところにある滝臨時駐車場と、4箇所くらい駐車場があるので、ここがいっぱいでも焦らず止められる台数の多い臨時駐車場(80台)か側の滝下駐車場へ。臨時駐車場がこのコースでは一番登山道に近いけど、トイレがあるのでこの竜頭の滝駐車場を選択。

しかし、やっぱり天気悪いー。今日はもしかしたらこのあと晴れ間が覗くかも?でも15:00ぐらいには雨降るかもよって天気。だから山頂からの景色が見れないと面白くない山頂目指すピークハント系山登りではなくて、天気悪くてもある程度はいい気持ちで歩ける湖畔歩きを選択したんだい。

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 準備をしてトイレを済ませ、8:30には歩き始めます。まずは国道を渡り、竜頭の滝臨時駐車場方面へ。歩き初めは雨は降ってませんが、つい20分前までザーザー降ってたような水々しく濡れた路面。木々からもポタリポタリと雫が落ちてくる。

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 竜頭の滝臨時駐車場入口。80台くらい駐車出来る砂利敷の広い駐車場です。この駐車場の反対側あたり、駐車場が切れたあたりに登山道入口があるので、目印として右手に駐車場を見ながらこのままアスファルトを直進します。

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 駐車場が切れたあたりで右手にこの看板。ここが登山道入口です。踏みしめられた道があるわけでなく、この広場のようになった中の細い小道を進むので、ちょっとわかりにくいんだよね、この入口。

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 入口には案内看板があります。今日の経路や時間を確認。

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ほんとここわかりにくい(笑)。地元の人が使う作業用の小道みたいに見えるのと、途中で左右に分かれるし。湖畔を歩くと言っても、湖畔まで山がせり出してるので山の中腹に付けられたトラバース道を歩くことになります。そのトラバース道へ登る道です。右から行くとゆるく上れて、左から行くと急な上り道になります。

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 今回は左手から行きます。前に斜面が現れ、その斜面を横切るように道が付けられているのが見えるので、その道に乗るために斜面を数メートル登るだけです。写真左下に見える岩のある場所から登山道に登ったトコ。

右手から行くともっと低い場所からこの道に上がれる。

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まずは前方に見える湖へ向けて歩きだします。湖に突き当たると道はゆったりと右手にカーブして、湖を左手にみながら歩くことになりますが、湖面からある程度の高さのある道なので左側は注意を。こけると湖にドボーンです。

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 途中、湖に突き出た小さな崖の上のビューポイント。すこし雲が抜けてきたか?奥の右手に見える浜辺が目的地。まだまだ遠い。

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 右手の山肌にはけっこう岩が多く、落石注意の看板を頻繁に見ます。実際、道の真ん中に落ちてきた大岩があるとこもあるし。また、巨木が倒れている箇所も多し。だいたいは倒れた木を切って歩けるようにしてあるけどね。このでかい倒木は登山道部分だけ切り取りして通れるようにしてあった。

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 途中のポイント、赤岩に到着。

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 地図でいうと、この黄色の丸したあたり。

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 けっこうでかい岩がだーーんと居るポイント。このあたりは木の階段や展望場所が作られています。

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 展望場所から。かなり開けて湖がみえます。この場所から道は下りになり、つづら折れに丸太で土留してある、苦手なタイプの足の歩幅に合わない階段をおりていきます。

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階段をおりると平坦で巨木の多い場所になります。ここが栃窪。 

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 栃の木の巨木。途中で折れたり、ほかの木が倒れ掛かってたりするけど、堂々としてりっぱな木でした。ここの主みたいなムードがありました。この場所は平坦で条件がいいのか、巨大な木をたくさん見ます。足元は巨木で陽が遮られるせいか、まるで手入れされたみたいに草もあまり生えてなくて、藪や潅木も無いから見通しもよく、すごく居心地のいい雰囲気です。

テント泊できそうな、と言えば、テン泊するような方々なら下がどれだけ平坦で下草がないかわかるかな?

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広葉樹のせいか、そんなに暗くない森の奥から水辺をみるとすごく白く見える。砂の浜辺があるから。

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 明るい光に惹かれて、我慢できずに登山道から外れて水辺へ。静かで美しい、ちいさなビーチがそこには広がります。

湖もここはすこし遠浅になってるようで、水辺から5~10mくらいまでなら足を水に浸けて涼めそう。たぶん遊泳禁止でしょうけど、泳ぎたくなるような綺麗さです。

砂浜に敷物しいて、コーヒーでも落として、景色をみながらまったりしたい。今まで樹林帯のせいか、向きのせいか、風がなくて暑かった登山道ですが、この浜辺に近づくと、湖水を渡る冷えた風がぴゅーって来てすごく気持ちイイ。

このころには晴れ間が出てきて、静かな湖面に青空が写りこんで綺麗です。

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 湖畔とは思えない綺麗な浜。今日は他に人もほとんど来てないのか、浜辺には鹿の足跡が目立ちます。水飲みに来てるんだな。

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 対岸のほうはまだちぃっと雲があるか。でも、湖面は静かで風はなさそう。これから晴れてくるかな。

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 あの岩山がさっきの赤岩があるあたりだな。波打ち際まで行くと、ちいさな魚がたくさんいました。

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ほんと、綺麗。ボキャブラ少なくてそれしか言えないけど、浜辺間近まで低い草が生い茂り、緑色なのもイイ。流木が無造作に転がっているのもイイ。浜間近まで巨木が生えて、覆いかぶさった木の枝越しに浜が見えるのもイイ。

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浜から振り返れば、陽が出てきて、明るく木漏れ日の差す森の中。

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栃窪の栃は、トチノキが生えてるからで、昔、猟師が食料にするために栃の木を植えたという説があると書いてありました。 まあ、水があれば栃の実さらしてあく抜きできるし。栃餅は猟師の携帯食になるし、そういう理由かな。

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 あまりに名残惜しいけど、ここはトイレもないので先に進みます。あと1.5キロくらい?

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 日が差してきた登山道は、木漏れ日が綺麗。足元も乾いてきて、歩きやすくて助かるし、なにより陽光の下で見るほうが緑も湖も土も綺麗です。

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 木陰からちらりと湖。このあたりは砂浜でなくて石や岩が多かったかな。本当にあまり人が通ってないらしく、雨上がりで柔らかい登山道には鹿の足跡ばかりw結局この日はこの道では誰とも出会いませんでした。千手ヶ浜のバス停でひと組老夫婦に出会っただけ。

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 やったー、千手ヶ浜到着!すっかり晴れていい天気!風も吹いてきていて、涼しくていい気持ち。ここで10:00過ぎだったので、予定通り1時間30分くらいで踏破。

千手ヶ浜は6月の九輪草の群生が有名で、6月はここまで観光船が出るので船着場があります。

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 晴れてはいるけど、男体山の上は発達してる雲に覆われているし、湖の奥、華厳の滝方面も厚い雲があるので今日はここでご飯だけ食べて引き返そう。

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 湖畔にベンチはあったけど、日差しが暑そうなので、木陰に敷物しいてお湯をわかし、簡単にカップヌードル。でも野外で食べるカップヌードルって、なんかすごく美味しく感じるのよね、汗かいて後なら尚更。

このあと、西ノ湖に行くのはやめて千手堂まであるこうよ看板に10分とあるし、というオットの主張で歩きはじめたけど、10分では全然着かないし、だんだん雲が広がって風が強くなるしで、雨がクル、絶対ザーザー降りクルーと写真は取らずにガシガシ歩いてガシガシ戻って、バス停についたらちょうど11:20分のバスが行ったあと。次のバスが12:40で1時間以上あるので、誰もいない、東屋になってるバス停ベンチでザックを枕に30分くらいお昼寝しました。風が強くなってきてたし、涼しくて気持ちよかった。

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 12:40のバスにのり、竜頭の滝に一番近い石楠花橋で降ります。

途中、西ノ湖バス停で5人ぐらいの女性グループ、小田代ヶ原バス停では20人くらい乗ってきてバスはほぼ満席。なんだ、人にあまり合わないから今日は歩く人少ないかと思ってたら、千手ヶ浜が人気ないだけ?(笑)

石楠花橋からは戦場ヶ原の上にある湯ノ湖から流れ出る川が、竜頭の滝に下っていくの右手にみながら、写真のように整備されたなだらかな遊歩道を15分か20分くらい歩けば竜頭の滝駐車場に出ます。

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 石楠花橋で、赤沼車庫行きのバス進行方向にむかって右手へ歩けば竜頭の滝、左手へ歩けば戦場ヶ原や赤沼駐車場方面へ行けます。写真は反対側の赤沼方面行きの道。我々が竜頭の滝に向けて歩き出す時、竜頭の滝から登ってきた外国人の二人連れが楽しそうに赤沼へ向けて歩いて行きました。

日光や戦場ヶ原は外国人のトレッカーが多い地域。皆、大体がすごい軽装で、冬でも半袖だったりする。外国人は基礎体温が高いからと聞いたけど、夏も半袖かタンクトップ、下は半ズボン生足で歩いてると、虫刺されや笹の葉で切ったりしないのかなーといつも思います。

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 コオニユリ里山で咲くオニユリより小さくて6センチくらいの直径です。竜頭の滝への道筋で、笹の中によく咲いてました。

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竜頭の滝到着!滝には茶屋があり、お土産や食事、軽食などあるので立ち寄り。茶屋が滝の真正面にあるため、茶屋内から見るのが一番迫力あります。

登山後の正義、湯葉ソフトクリームを茶屋で購入。主人はアイスコーヒー。座って一服しながらゆっくり滝を眺めました。

この頃、14:00過ぎには空は再び曇り空。今日は雨がぱらついたりまた晴れたりと目まぐるしい天気でした。

車に戻り、また沼田インター目指して帰ります。日光は東北道からでも来れるけど、東北道から来るといろは坂を通らねばならず、トシのせいか、あまりに急カーブが続く坂道は三半規管がやられて辛いので、急坂の少ない奥日光方面、金精峠を越えてのアプローチがほとんどです。

途中、白根温泉に立ち寄り汗を流しました。人が少なく、貸切状態で温泉に入れて満足、今日も無事に19:00過ぎには地元に付きました。

 

 

オマケ。

キノコは秋が本番と思っていたけど、意外に夏キノコも多いと聞き、今回はキノコを探しながら歩いてました。

以前、秋口に歩いた時も、この千手ヶ浜へ向かう山道はキノコがたくさん生えていたなーという思い出もあったので。わたし的キノコ大量ポイントは尾瀬沼北岸ですが、そこに次ぐのがこの道かな。

キノコ採りはしないし、国定公園だから取ってはダメだし、キノコは判別が難しいから売られているもの以外口にしないけど、生えてそうな場所で生えているのを見ると楽しいし、後で図鑑で調べるのも楽しい。個体差が大きいものだから、いつも図鑑見て悩むけど。

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 赤岩の手前あたりで群生してた、たぶんイッポンシメジ科のキノコ。イッポンシメジかクサウラベニタケか。毒。

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 千手堂に向かう途中、吊り橋のたもとに群生していたシロハツモドキかケシロハツ。菌糸が円状になってる(菌輪)上にキノコが生えるので、いびつな丸型で生えてます。この円状に生えるのをフェアリーサークルと言うそうで。

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直径10センチくらいのもいた。

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 石楠花橋でバス降りたとこに生えてた、たぶんイグチ系のキノコ。ハナイグチか?ハナイグチなら食用だけど、キノコは個体差大きくてわかんない。

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ちなみにこのビッグサイズ。イグチ系のキノコは、もちろん毒キノコもあるけど食べると美味しいものが多く、イタリアンの食材、ポルチーニ茸に極めて近い種類のヤマドリタケモドキもイグチ科。もちろんヤマドリタケモドキもすごく美味しいそう。ポルチーニに引けをとらないそうで。

 

キノコを見ながら、写真に取りながらの山歩きもおもしろいもんです。食用になりそうなキノコが沢山生えてる山域なら、下山してから近くの農産物直売所か道の駅に立ち寄ればだいたい山採れのキノコ売ってるし、直売所で歩いた時に見かけたキノコの名前を知る事もあるし。

今回は帰りに片品村の道の駅に立ち寄り、露地栽培の舞茸を買って帰りました(大きなパックで300~500円)。露地物は、オガクズの無菌栽培ものと違って味が濃くて香りも良くて、とても美味しかったです。

山採れの舞茸はもう別物ってくらい味が濃くて香りが高くて美味しいらしく、見つけたら舞を踊るくらい嬉しいから舞茸というそうで。どこかの直売所で、山採れ舞茸があったら、お財布と相談しながら一度は試してみたいと思っています。