10/9の水曜、水木でのシフト連休を利用して、奥鬼怒温泉郷の八丁の湯へ行ってきました。
ここは日光国立公園内に位置する山あいの秘湯で、奥鬼怒林道という舗装路はありますが国立公園だから一般車は通行禁止。宿の送迎バスを使うか、自分の足で歩いてしか行けない温泉宿です。
奥鬼怒温泉郷には4件の温泉宿があり、どれも名湯と名高い上に秘湯感満載。そのうち一番手前の八丁の湯、その奥の加仁湯は宿泊者のみ送迎バスありですが、一番最奥の日光澤と手白澤は送迎がありません。この2つの温泉に泊まるには本当に歩いていくしか方法がありません。しかも4つの宿の内3つが混浴(もちろん八丁の湯も。手白澤だけ男女別)。
以前から手白澤の評判を聞いていたので、本当は手白澤にも行きたかったけど、手白澤はお料理がいい分ちょっぴりお値段高めで、しかも紅葉シーズンに入った10月はさらにシーズン価格でお値段アップになってたから、今度何がしかの記念日に行こうよと今回はパス。混浴ハードルの下がる白濁したにごり湯の加仁湯はお料理の評判がイマイチだし、今回は特になにかの記念日ではなく、奥鬼怒歩道と温泉郷の様子を探る目的の宿泊だし、お手頃な八丁の湯にしよーよと宿泊にしたのですが、どーしてなかなか。
お湯良し、食事良し、宿の方の対応良しの三重マル四重マルの最高のお宿でした。
今回は黄色のコースの往復。女夫淵の駐車場から八丁の湯まで山と高原地図では片道1時間30分の表記ですが、ヤマップでログ取りながら歩いたら行きは2時間39分もかかってました。写真撮りながら歩いてるんで立ち止まりも多いしなー。
行き道はゆるーく川の上流に向かって歩く感じですが、累積標高は508Mでした。ちなみにカロリー消費1140カロリーだった……本当か?
今日はふつーのお宿に宿泊ってんで、チェックイン予定の14:00に合わせてゆっくり出発です。朝2:30に起きて深夜割!で高速!とか、3:00に起きて登山口7:00とかでなくて、5:00起きで6:30に出ます。らくー。
登山口の女夫淵駐車場に10:00か11:00につけばいいやという感じ。コースタイムで1時間30分なら、我々の足なら2時間から3時間見れば大丈夫だろうから、山メシする時間入れて13:00までに宿の前につけばいいというスケジュールで動きます。
久々の東北道、宇都宮での日光道分岐で日光方面へ入り、今市で降りて女夫淵を目指しますが、今市からの下道が地味に長いです。
しかし、天気は快晴!台風19号が近づいていたんで明日の夕方からは雲が出てくる予報でしたが、水木は晴天予報で気分アガるーー♪
駐車場にはトイレもあります。トイレ側に車を止めて用意。
実は8月にヴェゼルRSの青に乗り換えてます。前の赤ヴェゼルは残価設定クレジットでローン組んでたもんで、残クレとは5年経ったら残額で買い取るか、乗り換えるかって選ぶヤツなもんで。それで、最新のホンダセンシングなどの安全装備がついた車にしたかったので、乗り換えでまた同じヴェゼルの新型乗り継いだんでした。
ガソリンのRSで、この青はヴェゼルツーリング(ターボ)とRSのみ使える専用色なんですが、納車からこれまで公道で一度も同じ色にすれ違ってなくてちょっとさみしい。
りっぱなトイレ、水洗です。この先、宿までトイレはないので、ここでお腹を空にしておかないと後で困ります。
奥鬼怒歩道の図。これ見るとなんだ近いじゃん!って思えるでしょうが、この図にはひとつ、大切なもんが抜けている……それは標高差だ。
奥鬼怒林道の一般車両通行止めゲートをくぐり、いざ、八丁の湯へ出発!まずは鬼怒川をまたぐ橋を渡ります。
橋の上からの眺め。水の翡翠色が綺麗。イワナが居そう。実際、渓流釣に入る人も多いらしく、道の看板にイワナ・ヤマメ20cm以下は放流と書いてあった。イワナはわかるとしてもヤマメも尺モノがいる渓流なのか……。
私がラ・スポルティバのTX5を最近買って、グリップするよ~、足の裏固くて快適だよ~と自慢しまくっていたら、オットも欲しくなった様子で、ここしばらく登山靴を色々探して試着してました。
私より甲の高い彼の足にあったのがスカルパのZGトレックGTX。今日はそのおニュー登山靴の初歩きでもあるのだ。
橋を渡ってすぐの右手に、奥鬼怒温泉郷のノボリとともに金属の階段が現れます。ここが奥鬼怒歩道の入口。しょっぱなからこの階段、階段嫌いの心をバキベキに折ってくれますが、睨んでいても階段が無くなるわけではなし、諦めて一段一段登ります。ちなみに、これ登ったあとに左に折れるとさらに長いのがありまっせ。
で、金属階段のあとは、これまた苦手な丸太での土留式階段。これ一段の高さが高くて疲れるからキライなのよーーと愚痴言いながらそれでも登る。
50Mほど登ると、分岐に出ます。まっすぐは行けないように通行止めにしてありますが、林道に降りる事ができます。我々は歩道で行くのでここで右に降ります。
登ったぶん下ると、りっぱな吊橋が現れます。このあと三回ほど橋を渡る事になります。
このあたりは平家の落人が住み着いた場所として色々伝説があるようで、逃げ落ちていく平家の中将を追った姫君が中将と出会えた場所だから女夫淵だとか。…つまりは夫婦になれたのかな、そうだといいな。
紅葉をちょっとだけ期待していきましたが、やはりまだ少し早い様子でした。でも部分的には赤や黄色に色づいていたり、落ち葉がたくさん舞い落ちていたりして、秋の気配の濃厚な山々でした。
吊り橋を渡り、すこしだけ登り返します。登った先は平坦な登山道。気持ちイイ道です。
やがて少し道が広がり、この先は下りになってブナ林の広い場所にでます。朽ちたベンチとかありました。
そこを過ぎて少し行くと、左手に降りて、広い道に合流します。広くて平坦で歩きやすい道です。
道の脇のススキが日に透けて綺麗です。秋だなー。
広い道の先で道は先細りになり、右手にフェンスがされた川沿いの細い道になります。この奥鬼怒歩道、落石が多いらしく、道にはごろごろと大きな石が転がっています。これは落石防止のフェンスかも知れません。
2個目の橋を渡り対岸へ。でもこの橋の後、すぐに3個目の橋があるからまた元の右岸に戻る。
3つ目の橋を渡り 少し行くと、小さな橋の手前に、右に入る細い道があります。
この細い道を奥に行くと……
小さな滝が現れます。鬼怒川へ注ぐ支流のひとつですが、滝の側にまで行けるのがいい気分。
水は澄んでいてとても綺麗。ちいさな滝壺なので、夏なら泳げそうです。
とても冷たい水でした。流木など転がっているので、座って休憩するのにいい場所です。この奥鬼怒歩道はベンチがないので、ここで休憩するのがベター。八丁の湯までちょうど半分くらいの位置にあるし。
少し休憩したらまた元のコースに戻り歩きます。このあたりは川と並行して歩く感じで、平らな開けた場所にブナやダケカンバ、シラビソなどの木々が美しい場所です。
ナラタケ?朽ちた倒木に生えてました。キノコを探して歩いてはいましたが、イマイチ前回の北奥千丈ほど見つからず。植生や土壌の違い、歩いてる時もあちこちから硫黄臭がしていたので温泉が出てるみたいだし、そういう関係もあるのかな。
お!木々の向こうに人造物が見えてきた!
やったー!着いた!10:40頃から歩き始めて13:10着。もくもくと歩いたわけではなく、あちこち立ち止まり写真を撮り、川を眺めてイワナが居ないか探したり、キノコ探したり、滝に寄り道したりの時間が30分以上かかってるかな。
――おお、秘湯ムード!木造がいいね、山小屋みたいでほっとする。
左側にちらりと見えてるログハウス棟がもうひとつくらい左奥にあります。山奥にしては規模のでかい感じ。ログハウスの部屋はベッドの部屋もあるとか。それいいなー。
宿の向かいには鬼怒川。受付に写真が飾ってあったけど、このあたりで尺イワナが釣れたそうだ。いるんだ30cm超えのイワナ!渓流釣する人もこの宿泊まるんだろうな。川に腰まで入って冷えた体を温泉で温めるいいローテーション組めそう。
まずは歩きでハラペコなんで、昼ご飯を用意。今日の山メシは、ちょいと前の山と食欲と私でやってたウドナポ=ウドンナポリタン。作り方は簡単。マンガでは具材を炒めてなかったけど、私は炒めて持参しました。
玉ねぎ半分、ピーマンひとつ、ベーコン少々、マッシュルーム水煮は缶でなくて小さいパックのサラダ用のやつで。それらを家で予めバターと塩コショウで炒めて持参。
カトキチの冷凍うどん1玉と、レトルトのナポリタンのソース、炒めた具材を用意し、フライパンに具材とナポリタンソースを入れ、馴染んだら解凍されたうどん入れて、うどんや具材が熱くなるまで炒め合わせるだけ。
普通のパスタを使うより、さっぱりしてすごく食べやすくて気に入りました。自宅に帰ってからももう一度作るくらい。このさっぱり食べれる感は、パスタは卵が入ってる、うどんは小麦粉と塩だけの違いなんだろうな。
あとは朝、羽生SAで買った朝食用のシナモンロールを分けて、簡単な昼ご飯終了。今日は旅館の夕御飯だから、お腹空かせておくためにあえてうどん1玉。
ご飯中、手白澤の名物犬、川上犬の岳がうろちょろしてました。おこぼれ狙いなのか、それとも道案内するためか。
八丁の湯の前、道を挟んだ川沿いやログハウスの下にはたくさんイスやテーブルが用意してあり、雨天でもハイカーが休めるポイントになっています。湧水もあるので水補給もできるし。ここで昼食食べたり、休憩したりして、さらに奥にある加仁湯や日光澤、手白澤、もしくはさらに3時間以上歩いて鬼怒沼に向かうハイカーもいるのです。
チェックインのために八丁の湯の玄関に向かいます。一応、12:00からチェックイン可能ですが、部屋が用意できてないと待たねばならないみたいなんで、確実なのは2時チェックインで歩いていたのでした。この時もまだお客様のスリッパ干してたし。
日が落ちてからの写真だけど、玄関内はこんな感じ。木造が懐かしいムードです。タタキに腰掛けて登山靴のヒモがやりやすい。昔は電気が来てなくて本当にランプの宿だったそうですが、今はランプはすべてLEDです。
反対側。右側に靴箱で下足はそこにしまいます。奥にあるガラスの格子の引き戸から出ると露天へ。
玄関ではすでにストーブが仕事してました。日が落ちると途端に寒くなる。室内にもガスストーブがあったので夜は使いました。
室内。表から見ると昔の学校みたいな木造の古い感じですが、中は綺麗にリフォームされて快適です。これは宿泊した3階の踊り場。
3階の廊下はこんな感じ。木造だから歩くとギシギシは言うけど、それは想定の範囲内。
泊まったお部屋は本館の3階角の301号。8畳の畳に窓際の小上がり2畳くらいで全体で10畳くらいかな。
洗面やトイレは部屋にありません。共用のトイレと洗面所で済ませます。洗面所にはドライヤーが二台置いてありますので、髪を整えるのも大丈夫。
……いや山小屋で共同洗面やトイレに慣れてるから、こんなの屁とも思わないんだけど、どうしてもイヤな方はログハウスへお泊りください、トイレも洗面もあります。ドライヤーも各部屋についてます。
日曜に機種変換したばかりのスマホTORQUE G4の広角カメラで撮るとこう。窓が二箇所あるので明るくて良かったです。左側の窓からは宿の前が見えてチェックインする人丸見え(笑)
さて、まずは登山武装を解いて、着替えて、お風呂に行きましょう!汗を流し、歩いた疲れを癒すために。
それから先に布団を敷いておきます。八丁の湯は布団敷くのはセルフ。好きなタイミングで敷けるからこれはこれで好き。(だいたい山小屋セルフだから慣れているとも)風呂から出たらごろ寝するため先に敷く。
シャワーとシャンプーリンス、ボディソープ(馬油シリーズ)は内湯にしかないのでまずは内湯で体を洗い、それからオットと待ち合わせて混浴露天へむかいます。内湯の先客がまさかの宿の女将さんで、シャワーが2台しか無いのか…とつぶやいたらごめんなさいと謝られてしまったw(チェックアウト時に判明)いえいえ、文句ではありません、素直に感想が口から出ただけです、女将さんすみません。笑顔の素敵な美人さんでした。
この内湯、右側にある樋みたいなヤツがかけ湯ですが、源泉が内湯と違うらしく、かけ湯のほうが熱くて硫黄臭い感じ。じつはこのかけ湯が女湯では一番気に入りました。ザバザバかけてた。
内湯はなめらかでぬるぬるする感じ、微かな硫黄臭のする、羽毛みたいな白い湯の花が舞う透明なお湯です。単純硫黄泉の様子。温度はちょいぬるめ。熱めが好みな自分は湯の注ぎ口側にいればちょうどいいですが、長湯するならこれくらいの温度がいいかもね。40℃くらい。
男性の内湯。宿の創業当初の湯船で、ふたつに分かれているのは女湯と男湯でわけていた名残だそうです。
オットによれば湯船は二人入れば満タンとの事。洗い場も狭く、シャワーは一台しかありません。左端にやはり樋があるので、かけ湯でシャワー代わりに頭を洗ったりする事も可能。この宿で一番秘湯ムード溢れるのはこの男湯だと思う。男女入れ替えは無いのが残念、あれば入ってみたかった。
これは女性の露天です。この手前に更衣室があり、更衣室内に混浴(男性)露天への出入り口があります。混浴はタオル巻き可能。バスタオルは紺色で厚手、濃い色は濡れても透けないから安心。備え付けの他に混浴用でもう一枚借りました(200円)。
混浴は人が居たので写真無いですが、滝見の露天が素晴らしいです。ぬるめで、長く滝を見ながらボーッと浸かってられました。これは女性露天の湯船からの写真。女性露天からも滝がちょっとだけ見えます。
混浴の男性露天には、一番古い四角形の雪見の湯、岩組の滝見の湯、滝の真横から見下ろせる高みにある石楠花の湯のみっつの露天と、夏季だけ温泉プールがもうひとつ出来るようですが、そこはお湯は抜いてありました。
雪見の湯が一番湯温が高く、42℃から43℃くらいかな?入ると身体にとしみるーという感じの温度でした。でも露天なので風が冷たくて、出たり入ったりしてるのが一番気持ちよかったです。
これは女性の更衣室。この手前に混浴への入口があります。
そして、これがタオル用脱水機。混浴入るとタオルが水濡れになるので、これは助かりました。脱水して部屋のストーブ前で乾かせばバスタオルが大体乾くので、次回の混浴時も不快感なくバスタオル巻きができます。
お風呂に入ってもまだ夕食まで時間があったので、缶ビール飲みながら外の足湯。細かい羽毛のような湯の花が舞う透明な湯のビジュアルはこんな感じです。
それでもまだ時間があったので、歩いて10分の隣の宿、加仁湯へ向かいます。ここも足湯があるので足湯のハシゴです。
加仁湯の足湯。こちらは硫黄臭が強く、湯の花はそんなに舞ってません。熱めで気持ちいい温度。成分的には八丁の湯より硫黄が強そうなイメージを受けました。
薄暗い山道を加仁湯から戻ってきました。こんな時間に山道を歩くことは無いから新鮮であり、怖くもあり。戻ってくると八丁の湯は明かりがついていました。山の中で人の暮らす明かりを見るとホッとします。さあ、19:00から晩ご飯だ。
オー、お品書き。最近、尾瀬の山小屋しか泊まりで行ってないwので、旅館のこういうの新鮮です。
食事は食事処で。朝もここで朝食を頂きます。食事処がテーブルとイスなのも嬉しい。畳だと足が痛くなるので。今回は宿のスタンダード、いのしし鍋付き八丁の湯基本懐石コースで宿泊。通常だと11000円ちょいくらいですが、紅葉シーズンなんでお値段上がって一人14300円。でもかなり満足したからぜんぜん惜しくない。
前菜。日光だから湯葉がすごく美味しかったです。
八汐マスのお作りは、シャブシャブでも堪能。お湯と昆布が入った紙の鍋でシャブってポン酢で食べると、刺身と違ってまたすごく美味しい。これだけあと3切れ欲しい。
土瓶蒸し。中身は湯葉とすり身で松茸はありませんが、お出汁がすごく美味しかった。
具材は湯葉、海老のすり身、キノコ。おちょこで出汁を楽しんでから、具材をポン酢で堪能。温まっていい。
しし鍋。締めはうどんが用意してありました。ご飯とお水はセルフで別にあるので、オットはうどんの後にご飯も追加で食べていたな。
イノシシは脂身が甘くて美味しかった。味噌仕立てですがそんなに塩気は強くなく、イノシシの旨みが染み渡った味噌汁で美味しかった。締めのうどんもイノシシ汁が絡むとすごく美味。
湯葉のグラタン。ラザニアのように湯葉とチーズでグラタン風にしてありました。熱々で後から提供されました。
別注文したイワナの骨酒。自分がイワナ骨酒大好物の為。もう、これ、つまみいらないのよね、熱燗した酒だからアルコール飛んでるし、イワナの塩味と出汁が出てて、ぐいぐいイケちゃう。
最後にデザートの果物が出て食事は終わりました。お腹いっぱい、イワナ骨酒でいい気分で部屋に帰り、敷いておいた布団にダイブするぞ!
館内見取り図。自分たちが宿泊したのが301で、大きくマルしたのが洗面とトイレ。3階の奥の階段から降りたら洗面とトイレすぐなんで、特に不便も感じず。戸建で二階に住んでるとお風呂一階だから階段で降りていくよね?それと同じよ。
部屋で飲もうと、スキットルにアイルオブジュラと、サラミなどのつまみも担いできてましたが、お腹いっぱいで入らず。自分はちょっと休むと言って布団に入ると、そのまま朝まで寝付いてしまいました。
夜中に起きたオットはまた夜空を見にいったり、深夜の露天風呂に入ったりして宿の夜中を楽しんだ様子でした。
昨夜21:00前に寝付いてしまった為、朝5:40に目が覚める。窓の外はちょうどあと5分ほどで夜明けの空。今日も雲ひとつない快晴です。
起きて用意して6:00過ぎには朝風呂に。内湯で髪を洗い、混浴露天で朝の滝見を楽しみました。
部屋に戻ってくると空は明るくなってましたが、谷間にあるからまだ直射日光は当たらない宿の前。寒いです。草も霜が降りてる場所がありました。部屋の窓も結露で真っ白になっていたし。ガスストーブON。
朝食は7:30から。少し時間があったので朝食前に外に出てみます。7:20頃、ようやく宿の裏手の山に日が当たり始め、木々が金色に光って綺麗でした。
まだ紅葉には早いかなと思ってましたが、宿のナナカマドは赤い実をつけていたし、葉っぱもだんだん赤く染まってました。もうすぐ紅葉最盛期になるかな、あと二週くらいかな。
さて7:30から朝食です。ご飯は白米と麦飯選べます。ご飯、お茶お水はセルフで。
卯の花、温泉卵、小松菜のおひたし、明太子。ご飯のお供たち。
蒸し物は温泉蒸しされた塩シャケと野菜。温泉蒸しした塩シャケが優しい味ですごく美味しかったので、あと三切れ食べたかった。
写真撮り忘れたけど、鍋の中は豆乳仕立ての味噌汁で、豆乳に優しい味が味噌と合って、いつまでも飲んでられる味噌汁でした。
お腹は空いていたからご飯おかわりしたかったけど、帰りの歩きがあるので麦飯を軽く一杯で我慢。あまり胃が重たくなると歩きにくいから。
8時には 部屋に戻り、身支度してパッキング開始。この頃には宿の前にも日が差してきていて気温もずいぶん上がってました。それでも13とか15℃とかだけど。
ウェブで宿泊予約してるので宿泊基本代金はカード支払い済んでいるから、追加の骨酒とかタオルとかの精算を現金でしてチェックアウト。ここ、現地で支払いする場合は現金のみなので注意してください。カードは現地では使えません。先にウェブ上での予約とカード決済しておくのをお勧めします。
朝食時に麦飯が大人気で売り切れてしまい、新しく麦飯炊いてたんですが朝食時間ぎりぎりになってしまったため、残った麦飯を女将さんが塩むすびにしてチェックアウトする皆にパックに入れて持たせてました。
ご迷惑おかけしてすみませんと謝ってらしたけど、白米はあったし、全然大丈夫でしたよ。頂いた塩むすび、帰りに行きで立ち寄りした滝の前で流木に座って食べたけど、まだほんのり温かくて美味しかったー!
宿の前に、昨日は見なかった犬がいました。この子が本当の八丁の湯の犬かしら?昨日は手白澤の岳しか見てないから。主人によると、夜中に星を見に出てきたら居たから、この子がここの犬ではないかと。
奥鬼怒温泉郷の宿は犬を飼ってる宿が多く、どこも看板犬になっています。登山客を案内する手白澤の川上犬の岳と、日光澤の三匹の犬達と、八丁の湯でもう一匹犬が居ると聞いていたけど、どこも放し飼いです。気ままにあちこち行く犬たち、幸せそうです。
ちょい太めなのはお腹に子でもいるんかな?重そうによたよた歩いてました。
しかし、良かったよ八丁の湯!
何しろお湯が良かった。基本がにごり湯好きなもんで、透明な湯って聞いた時にえーってちょいと思ったんだけど、考えて見ればここ数年で一番気に入ってる福島の尾瀬沼入口、檜枝岐村の燧の湯も透明だし、透明な湯がだんだん身体に合うようになってきたのかも知れない。にごり湯で温泉成分が強いのは合わなくなってきているのかもしれない。奥日光湯元温泉のにごり湯は二回入ってみたけど合わなくて二回とも後日体調崩すしなー。
八丁の湯で一番良かったのは混浴の雪見の湯。優先して源泉がどばどば入るらしく、いつ入ってお熱めでいいお湯だった。次点が内湯かな。内湯は三回入った。オットは四回入ってる。内湯のかけ湯が好きで、風呂から上がる時に何度もザバザバかけました。
ご飯も美味しく、温かい食事は温かく出してくれるのがいいです。作りおきで冷めた焼き魚とか天ぷらとかが無い。豪勢な食材ではないけど、じんわり温かく毎日食べ続けられるような、美味しいお食事が嬉しかったです。ご飯もちょい固めの好みの炊き加減だったし。
今度はログハウスのベッド部屋に宿泊でもう一度来たいな。今回は10月からの紅葉シーズン入ってお値段アップの宿泊料金だったから、普段のお手頃価格な時期にもう一度来るぞ、雪見露天なんかもいいかもしんないと、再訪を心に近い、八丁の湯を後にして歩き出します。
9:00に宿をたち、歩き出します。しかし今日もいい天気!木漏れ日が美しく、緑が綺麗で気分イイわー。
足元を見るとイガイガしたキノコが。スギタケかスギタケモドキか。
行きの記録には書かなかったけど、何箇所か小さな沢が道を横断して流れている場所や、水が出てぬかるんでいる場所もあります。スニーカーでも来れる道だけど、足もとガレてたりするし、できれば軽登山靴で歩いたほうがいいかもー。ゴアテックス防水の靴ならもっといいかもー。
道端にはシオンが咲いています。キク科の紫の小花が可愛いです。この花を見ると秋だなと思う。
フジアザミの大きな花。重くて下を向いて咲くアザミの種類です。ガレ場や砂礫地などの荒れた場所に多く分布、富士周辺に多いからフジアザミの名前だとか。
下から見るとこんな感じ。大きな花で目立ちます。昨日行き道に見たけど写真撮り忘れたので帰り道でじっくり観察。
奥鬼怒歩道を歩いていると三箇所ほど、硫黄臭い場所があります。
行き道はヤマップのログ取りながら歩いてたから、硫黄臭い場所でヤマップ地図を見ると温泉マークがあったりして、見えない場所で温泉出てるんだねーと話して歩いてましたが、帰り道、朝の光線の加減か、登山道そばに湯けむりが見えた!昨日歩いた時には臭うばかりで湯気は見えなかったのに!
すぐ側でコースを外れても問題なさそうな上、そこまで歩いた道がついているようなので湯気の源を見に行って見ました。
お?パイプが引いてあり、そこから源泉ぽい湯温高そうなのがドバドバ出てる。温泉出てる周囲には白い湯の花がこびりついて泉質良さそう。
源泉が出てる場所までスロープが付いてたので傍まで行って見ました。スロープがあるという事は、昔は誰かが手入れしていたのでしょうね。今は使われていない源泉なのかも知れません。そういえば、女夫淵駐車場付近には、以前は女夫淵温泉という宿があったそうですが、2013年の奥鬼怒の地震で湯が出なくなり閉めてしまったとか。もしかしたらそこが使っていた源泉なのかもしれない。
しかしもったいない。周囲には流れる源泉で緑色に染まった小川が出来てました。この温泉、だれかうまく使ってくれないかなー、けっこうな勢いで出てたよ。
吊り橋を渡り、最後の登りの道端でキノコ発見。
ホテイシメジかカヤタケか。漏斗のようなラッパ型が面白い。
最後の登りを登り終えて、金網の階段を降りると女夫淵駐車場です。時刻は11:00、やはり2時間かかってます。
車に戻り登山靴を履き替えて、帰宅の道につきますが、最後の上りでけっこう汗をかいてしまい、どうする?そういえば来るとき近くに立ち寄り湯可能の温泉宿あったよねと、車で10分もかからない『こまゆみの里』という温泉宿に立ち寄りました。
ちょうど11:30から立ち寄り湯開始で、時間もぴったり。大人500円でお値段もリーズナブル。ここは日本秘湯を守る会の宿です。実は泊まった八丁の湯も、足湯した加仁湯も秘湯の会の温泉、昨日今日で秘湯の会の温泉三軒目のはしご湯です。
男湯にはひと組グループがいたけど女湯は誰も居ません。まだ立ち寄り湯始まったばかりだしね。泉質は細かい消しゴムかすみたいな湯の花の大量に舞う硫黄泉。熱めで気持ちいい内湯でした。
女性の露天。ここも男性露天は混浴可能で、フロントで湯浴み着のレンタルしてます。女性の露天は檜風呂と、丸太風呂二つ。
檜風呂は鬼怒川沿いで、景色がとても良かったです。
硫黄臭の少しする泉質は、八丁の湯と似てますが、こちらの湯の花はすこしグレーがかった色でした。
人一人が体育座りでぴったりサイズの丸太風呂。両方入りましたが、入ると溢れる湯量が半端ない。ざばーーんとお湯が溢れる。
溢れた分、新たに継ぎ足された丸太風呂に入ると、継ぎ足された湯温で先程より熱めでこりゃ気持ちいい。
グループ客が上がって、一人になったオットが撮ってくれた男湯。男湯は岩風呂で、けっこう熱めだったとか。
男湯は丸太風呂も4個あったとのこと、いいなー。ここも湯浴み着借りて男湯にも入ればよかったかも。 でも、女湯の内湯がかなり気に入ったので満足です。
汗も流してさっぱりし、帰宅路に再びつきました。途中で山奥の蕎麦屋に立ち寄り、岩魚天ぷら蕎麦や舞茸ご飯など食べたりして、自宅に戻ったのは17:00でした。
いやー、充実して楽しい二日間でした。ふつーの宿に泊まったのが久しぶりでしたが、二時間歩いてしかいけないし、布団セルフだし、洗面所トイレ共用だしで、かなり山小屋に近い感じのお宿でした。
でも、山小屋みたいにせんべい布団ではなくテンピュールっぽいマットレスでぐっすり寝れたし、お食事は美味しいし、24時間好きな時間にいい湯に浸かれるし、消灯時間は無いしで、山小屋とお宿の美味しいとこ取りみたいな感じでした。
宿に泊まって飲み食いしたカロリーも、行き帰りの山歩きで消費出来て、趣味の山歩きも楽しめて宿にも泊まれる奥鬼怒温泉郷、とても自分向きでいい温泉地でした。
今度は手白澤に泊まって、噂の美食を味わってみたいし、加仁湯の白濁した温泉の混浴も味わってみたい。ほぼ山小屋の日光澤にも行ってみたいし、また行きたい場所が増えてしまった二日間でした。