11/25水曜から一泊で奥鬼怒温泉郷の加仁湯に泊まりに行ってきました。
奥鬼怒温泉郷は日光国立公園内、鬼怒川の上流沿いの山中に点在する4軒の温泉宿です(八丁の湯、加仁湯、手白澤温泉、日光澤温泉)。国立公園内にあるため、スーパー林道(無舗装)はあるけどマイカー乗り入れ禁止。宿に泊まるには自分の足で歩いていくか(4~6キロ・宿により距離は違う)、宿の送迎バスに乗るかの二択(4軒の内2軒は宿泊者無料送迎バスあり)。そのせいか秘境温泉としてメディアに紹介されることが多いです。
昨年10月に八丁の湯に宿泊し、とても良かったので今年も奥鬼怒温泉郷に再訪しようと計画。4軒もあるのだから、今年は別の宿に宿泊しよう!と加仁湯にしました。
奥鬼怒温泉郷の泉質は、透明な湯とにごり湯と両方で、宿によりお湯が違います。八丁の湯は透明だけど湯の花が大量に舞うお湯でしたが、加仁湯は自家源泉を5本持ち、にごり湯の露天が有名な湯宿。そして、これは奥鬼怒温泉郷だいたいに当てはまりますが……どの宿もほぼ混浴です(手白澤除く)。
さあ、白濁にごり湯の大きな混浴露天目指して、レッツラゴーw
今日は山小屋ではなく一般客も泊まるふつーの宿wに宿泊のため、世間一般のチェックイン時間14:00~15:00に間に合うように行動します。
平日より遅めに朝7:00起床で8:20に自宅を出、羽生SAで9時ごろに朝食を取って、宇都宮JCTで日光宇都宮道路へ。今市ICで降りて、霧降高原を抜け、川俣温泉を抜けてさらに奥へ。すれ違いに厳しい箇所がところどころ出てくる道の終点がここ女夫渕無料駐車場です。
今市からだと下道が2時間くらいか?高速だけなら1時間15分くらい。高速降りて今市の市街地を抜けた後が山道のためカーブが多く、どうしても時間がかかりますが、風光明媚な景色が続く道なので自分はあまり飽きません。車を止めて、準備をして綺麗な水洗トイレを使い、12:20に歩き出します。ちなみにトイレの向こうにお尻が見えてるバスが、八丁の湯か加仁湯の送迎バス。この2軒は送迎があるので歩かない一般の方はここでバスに乗り換えます(送迎時間注意)。その奥に屋根が見えるのが路線バスの待合所です。ここまで公共交通機関でくる場合は東武日光駅から女夫渕行きの路線バスで来れます。
鬼怒川沿いの山道は奥鬼怒遊歩道といいます。遊歩道入口は駐車場から出てすぐ右手にある、本来ならこのゲートから行けるようなのですが、2013年の日光震源の地震で崩落し、今はこの入口からは行けません。なので直進して橋を渡った先にある入口から入ります。
林道入口(奥鬼怒スーパー林道)のためゲートがあり、宿の送迎バスや工事車両以外は車は入れません。徒歩の我々は屈んでゲートをくぐります。この日は昨日の夜からの雨が残り、霧降高原までは小雨でしたが、川俣あたりから雨は上がり、曇り空に晴れ間がところどころ覗くようになりました。
橋から望む景色はすっかり冬景色。木々は葉を落とし、針葉樹もすこし緑がくすんで見える時期です。もう何週間かすると雪に覆われた水墨画の世界になるんだろうな。
去年の10月は紅葉に早すぎて、今年は遅すぎるw。来年あたり、紅葉真っ盛りに来れるかな、それとも新緑にしようかな。
橋を渡るとすぐに右手に入口があります。この鉄階段から遊歩道に入ります。
周辺地図。地図内の現在地側にある女夫渕温泉は、2013年の地震で廃業、先ほど車を止めた女夫渕駐車場にその名前を残すのみです。八丁の湯と加仁湯の間は私の足で10分ほど、加仁湯から日光澤もそのくらいだそうです(この区間まだ歩いてないので)。ただし手白澤だけは渓流沿いでなく山の中になるので加仁湯からさらに山道を登り、プラス40分(コースタイムで)記載でした。
今年はあちこちでしゃれにならないくらい熊とのエンカウントが続いているしなー。
ってんで、新兵器導入!熊の本場、東北の南部鉄器で作られた熊鈴を購入しました。すでに持っている森の鈴という高音域熊鈴に加えて、南部鉄器の熊鈴追加で二個りんりん鳴らしながら歩きますwこれなら熊も逃げていくだろう。
南部鉄器の熊鈴は森の鈴と音域や音色は似ているんですが、こちらのほうがすごく澄んだ音色でいて、柔らかいというか……柔らかいのにすごく良く音が響くんです。和の心を刺激するような音色で、これはおすすめです。ただし森の鈴みたいにベルの停止が出来ないタイプなんで、止めるときは小さな磁石を内側に入れてますがw
鉄階段を登った先は、しばらく土留め階段。土が雨などで流れて、歩幅に合わない階段が続くここが実はこの遊歩道で一番キツイかもw
10分ほどで登りきるとこの表示。右手が遊歩道、左手が奥鬼怒スーパー林道。歩くならもちろん右手の遊歩道。冬季で雪の中歩く場合は、スノーシュー装備が無いなら林道のほうがいいかもだけど、林道のほうが遠回りになります。でも絶対、自分の脚ではこのコースタイムでは歩けないぜ……といつも思う。時間は1.5倍か2倍見たほうが安パイです。ヤマップでさえ八丁の湯まで1時間30分で加仁湯まで1時間45分表示だぞ?このタイム算出の理由を知りたい……。
右手に下ると足元が石畳の場所が出てきます。大木が倒れている箇所があり、毎回、ここをどうやってくぐるか悩みます。屈んでもザックが引っかかってしまったんで、屈辱的に膝をついてwやり過ごしたんですが、ここをザックしたままリンボーダンス形式でくぐれるツワモノ求む(笑)。
木をくぐると、さらに下に降りる急な階段と、対岸に渡る吊り橋が見えてきます。この奥鬼怒遊歩道、都合3回橋を渡ります。
対岸も川沿いも、葉が落ちて冬景色だなー。しっかりした橋ですが、吊り橋だからすこしだけ揺れます、高所恐怖症の方はご注意を。
吊り橋から下流を望む。この鬼怒川沿いは渓流釣り場としても名の知れたエリアでして。今年テンカラ釣りを始めた身としては、今はまだ管理釣り場で研鑽を積んでますが、いつか渓流デビューしたいと思っているエリアのひとつでもあります。紅葉も終わってるし、入渓点や魚の居そうなエリアを釣り師wwの目で見ながら今回は歩こうかとw
吊り橋で対岸に渡り、すこしだけ登り返すと、後はほとんどこういう歩きやすい山道です。足元に岩が多いけど。
左手に渓流が見えてきた。この遊歩道は渓流沿いをずっと歩く感じです。
歩いているとなにやら硫黄の匂いがしてきます。ヤマップ地図にはこのあたりに♨マークがあるので、注意してると湯けむりがあがり、♨湧いているとこがあります。今回は見に行きませんでしたが、前回の八丁の湯の帰りに見に行きました。この遊歩道沿いには何箇所か天然の温泉が湧いてる場所があります。
雲から覗いた晴れ間の空が、渓流に映りこんで水が青く見えるといい感じ!やっぱり水際は晴れた日がいいね。
元々崖の下に流れる渓流沿いの道な上、 2013年の地震から落石が多いようで、あちこちにごろんと上から落ちてきたであろう大岩が転がる。
この看板もたくさん見ます。そーいう箇所では足早に抜けます。
二つ目の橋を渡ります。この手前にもヤマップ地図には♨マークあり。このあたりは風向きで硫黄の匂いがします。他の方のブログで温泉が川辺に自然に溜まってる写真を見たので、今度来るときは探したい。この時はチェックイン時間ギリだったので後ろ髪引かれながらスルー。
すぐに三つ目の橋で元の右岸に戻ります。ここからすこしだけ上り坂。
橋から上流を見る。二つ目の橋のたもとから入渓できそうだけど、そのまま上流には淵があるのでいけないので、対岸に渡るのにウェーダー(胴長)がいるねなんて話しながら、釣りポイントをオットと想像しながら話す、そういうのも楽しい。
三つ目の橋を渡って上り坂を登ってから下ると、鬼怒川と同じ高さの場所にでます。川岸が広くなっていて、そこにブナや白樺の生えてる平坦で気持ち良いエリアでしたか、昨年の台風19号で荒れたようで、登山道が以前と変わってます。以前の道は右側にロープが張ってありましたが、その道は途中で大きくえぐれてその先が歩けなくなっていました。今は木の幹にまいてあるピンクテープを頼りに歩いてください。
とはいえ、かんたんに川岸まで行ける貴重なエリア。広々として明るく、遡上もしやすそう。ここ、渓流テンカラデビューにいいな。
その先もしばらく、渓流と高さの同じな平坦な道が続きます。苔むした岩がごろごろしていて、ちょっと八ヶ岳チック。
しばらく行くと、車が通れるくらいに道が広くなり、川岸が整備されたエリアに出ます。湧水が染み出しているのか、この前後は道のぬかるみが多い場所です。この先に水場もあります。
道の右側に湧水の流れが出てきたら、八丁の湯がすぐです。
八丁の湯の前に到着。川沿いにベンチがあるのですこし休みます。宿看板の後ろの楓の大木もすっかり葉を落とし、入口で火を起こしていたので焚き火の香りがあたりに立ち込めてました。前にはなかった薪の山が入口左手に見える。前回とてもよかったので、また再訪したい宿のひとつです。
八丁の湯から、ゆるい上り坂を10分歩くと今宵の宿、加仁湯に到着!12:20分に歩き出して14:20到着、ヤマップログでちょうど二時間でした。手前の右の屋根は足湯です。
大きな提灯が秘湯の風情。八丁の湯の木造と対照的な鉄筋作りは、好みが別れるところではありますが、昔、登山客が多かった時代に、早出の登山客の物音が響かないように鉄筋にしたような話をどこかで聞いたような。
今回、巷を騒がせているGoToトラベルで予約したので、普段よりちょっといい和室ベッド14畳のお部屋にしました。洗面、トイレ付き、ドライヤー有り。
加仁湯は提灯のある正面だけ見ると部屋数多くなさそうですが、じつは後ろに長ーいホテル。入口のある本館→積善館→あすなろ館とみっつの建物が奥に続き、あすなろ館の奥が露天風呂エリアです。今回のお部屋は積善館の最上階4F。もちろんホテルだからエレベーターあります。歩いて来る秘境なのにエレベーター、なんか不思議な感覚。
お部屋からの景色、渓流側で小さな滝のまん前のいいお部屋でした。しかし、左下に第二露天(混浴)がちょっと見えてるなw
滝のアップ。小さな可愛らしいサイズの滝なので、滝というより清水の染み出しかなー。雨が降れば水量が増えるんだろうけど。夜にはライトアップされてました。加仁湯、毎年渓流釣り大会があるようで、釣り目的で泊まる方々も多そう、だって部屋から見えるだけでもこんないい渓流だもん。
さて、荷物を解いたらまずは宿入口にある足湯へ。なぜすぐに露天ではなく足湯か?それには目的があるのです……。
そう、生ビール!今日は泊まりだから二人でビールが飲める!しかもGoTo利用の地域クーポン使ってタダで!で、飲みながら温泉するなら足湯でしょ?泊まり装備で二時間歩いて疲れた足を癒したいし、喉も乾いた!
くーーっ、生ビールうんめえ!すんごいうまい。グラスもキンキンだし。そして足湯気持ちいい!ビールが身体に染み渡るし、足にも足湯が染みてすごく極楽気分です。
ちなみに加仁湯さんで使えるGoTo地域クーポンは、入口フロント付近のみ使用可です。フロントのバーカウンターの酒類と、お土産のみ利用可能。夕食時のお酒や追加料理には使えません。バーの生ビールは一杯500円。クーポンは電子でなく紙で一枚1000円なのでここで一枚使用。
このあとお風呂に行きました。まずは内湯で体を洗い、加仁湯といえばこの第三露天、ポスターもこのお風呂よねって場所でオットと混浴。脱衣所は男女別ですが、中で一緒になるパターンの混浴方式です。タオル巻き可。湯あみ着は不可(追加タオルはフロントで1枚300円です)そのあと5本の源泉がそれぞれ小さな浴槽に注がれていて、利き酒ならぬ利き湯が出来るロマンの湯に行き、その後、貸切の蒼天の湯に入りました。
加仁湯では内湯と第三露天が自分は一番よかった。泉質では内湯が好きで、景色やロケーションでは第三露天。内湯は5本の源泉ミックスのようで、薄くにごり、すこしぬるっとする泉質でした。硫黄臭がほのかに漂うのも好き。第三露天は硫黄のにごり湯って感じで、長湯してるとすこし肌が荒れてる場所がぴりっとするかな。でもわりとまろやかで景色を見ながらの長湯にもってこいです。
混浴な上、どこもお客さんがいたので写真は撮ってません。ので、宿のHPをば。お風呂のページで貼っておきます。
18:00から夕食です。席について最初に並べられていたのがこちらです。あとからグラタンとご飯、お吸い物が出てきます。
食前酒は味的に梅かな?セイロ蒸しは豚肉と野菜。お刺身は湯葉とサーモン。蓋がされている大きな椀には野菜と高野豆腐の煮物。他に岩魚の塩焼きと天ぷらが野菜と舞茸でした。正直、お食事は普通です。不味くはないけど、特筆もない程度。天ぷらや塩焼きが冷めていたので、できれば温かいものは温かく出してくれたらなーとは思いました。八丁さんのほうが食事は数倍美味しかったです。お品書きもあったし。でもGotoで実質10,000以下で宿泊しているからかもしれない。
別注で岩魚の骨酒を注文。この八寸がどれも酒のツマミにちょうどよくて、これで骨酒を飲みました。珍味三種盛りが左から胡桃の味噌和え、貝ヒモとフキの和物、ピリ辛のきゃらぶき。奥の二つが左からキノコの水煮とワラビの水煮。
骨酒で酔っ払って、また私は食後部屋に戻ると早々に就寝。オットは10時ごろに起きて夜の第三露天を楽しんだそうです。寒かったけど満天の星空が見えたよと翌朝自慢されました。……なんだか毎回、岩魚の骨酒でしくじってる気がしないでもないが、好きなんだからしょうがないじゃないかー。あると頼まずにはいられないんだよーorz。
翌朝は7:30から朝食なので6:00に起きてまずは混浴の第三露天へ。山の宿は山に遮られて日の出が遅い上に、今は日差しが斜めに短い時期。露天で徐々に日が差し込んで黄金色に輝く山肌をみながらまったり混浴。朝も混浴露天は人が結構居ました。
朝食は岩魚の一夜干しに納豆、茶碗蒸し容器は湯豆腐。納豆ご飯大好きだけど、家では朝はパンが多くてあまり食べてないので、ここぞとばかりにおかわりして堪能。
その後チェックアウトの用意して、帰路は早く帰りたいオットの要望で9:00のバスで駐車場へ向かいます。歩いて2時間でもバスだと20分。しかし舗装してない林道にマイクロバスはかなり揺れるので、体調悪いと車酔いしそう。私は二時間歩くほうがやっぱり好きかも。
前日は小雨で視界0だった霧降高原をもう一回見たいとオットにリクエスト。途中の展望ポイントからの平野部の一面の雲海に感動しました。この日、関東は栃木県南部までニュースで濃霧注意報が出ていたそうで、そのせいか。
すごい、まるで今から帰る平野部が無くなったみたいだ。一面の雲海を堪能し、今市市内で偶然見つけた地元の焼きうどん屋さんでお昼を食べて14:30には帰宅しました。
早く帰ると片付けなどが早く終わっていい。洗濯して掃除して、晩ご飯も18:00には済ませて翌日の仕事に備えられました。
Gotoトラベルを初使用した感想は、かなりお得に宿泊できて嬉しいという事。一泊15,345円の部屋に泊まって、岩魚酒とかビールとか飲んで、請求が23,049円。これとは別に地域クーポンが5,000円出たので、クーポン分考えると実質18,049円で、ひとり9,000円程度に収まりました。(請求書にあるポイントの900円は楽天トラベル利用のため、楽天ポイントを使った分です)
そのせいか、平日にもかかわらず結構な宿泊者数で、宿内であまり人にあわないので宿泊者が少ないかと思いきや、食事処では大勢いるし、朝9:00の送迎バスは同時に二台出るくらいでした。
これをいいと捉えるか、良くないと捉えるかはその人の立場や考え方により違うと思いますが、好きな温泉や宿がコロナ禍で力尽きて次に行けなくなるのは悲しいので、好きな場所にはお金を落として宿が存続出来るように応援したいなと自分は思います。
現在の時点ではこの先がどうなるかわかりませんし、GoToが中止になるならそれに従いますが、来月は中央アルプスの木曽駒ケ岳のホテル千畳敷をGoTo予約しています。雪山はやりませんが(レベル高くてできないし)、冬の星空鑑賞です。積雪した白い世界の満天の星を見てみたいので。あと、雪山でのご来光も是非見てみたい!